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P&G、資生堂、コティ。2020年上半期デジタル施策総まとめ

◆ English version: P&G, Shiseido, Coty: A recap at their digital resilience in the first half of 2020
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2020年上半期の化粧品の売上上位6社のデジタル施策と事業開発をまとめた。2020年上半期は、新型コロナウイルスのパンデミックにより、多くの消費財企業は苦境に立たされた。今回紹介する4位~6位企業のうち資生堂、コティも苦戦を強いられており、コティがカイリー・コスメティクスやKKW BEAUTYを軸に成長を模索するなか、資生堂はこの状況をどう乗り越えるのか市場の注目が集まる。

※ランキングは、BeautyPackaging のTOP20 GLOBAL BEAUTY COMPANIESより

はじめに: 4位〜6位企業を取り巻く背景

上位3社と比べると、株式市場での評価は横ばいかマイナスとなった4~6位企業。4位のP&Gは、コロナ禍でも積極的なマーケティング展開を行い、ビューティ領域は売上の上昇傾向を維持。資生堂は本国日本での大幅売上減だけでなく、3月にはリバウンド需要で回復基調にある中国市場でも手探りの状態で、また、P&Gとは反対にマーケティング活動の自粛が売上に響いた。

コティは、2019年下半期に抜本的な再生計画を掲げ、粛々とブランドの集中と取捨選択を行ってきたが、今回の新型コロナウイルスのパンデミックにより苦闘が続く。再生計画にもとづき、ウエラやO・P・Iなどのプロフェッショナル事業部をKKRに売却。2019年下半期に買収したカイリー・コスメティクスや、2020年6月に戦略的パートナーシップ提携を結んだキム・カーダシアンのコスメブランドKKW BEAUTYなどを柱に成長を模索する気配だが、カバーガールなど現状苦戦しているコンシューマーブランドをいかに立て直すかは課題として残る。

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今回記事の3社の株価の動き
出典: CNBC

4位 プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) :  コロナ禍でも攻めの姿勢でマーケティング推進、メンタル・アベイラビリティの高いブランドを目指す

図1

新型コロナウイルスのパンデミックで、各社がマーケティングを控えるべきか否かを悩んでいた時期に、P&Gは積極的にマーケティングを推進。この期間のマーケティング支出は、対前年比で1.9%増加している。店舗が閉鎖されるなかでは、消費者が買いたいと思ってもブランドへのアクセスが難しくなるため、フィジカル・アベイラビリティ(購買機会)を高めるのは困難だ。そこでP&Gは、バイロン・シャープの提唱するメンタル・アベイラビリティ(消費者のブランド想起の高さ)を追求するとした。

2019年に引き続き、ジェンダーの平等問題やトランスジェンダー問題など、社会課題の解決に積極的な姿勢を示し、メンタル・アベイラビリティの高いブランドの構築を推進。その結果、コロナ禍の下半期を含む2020年期(2019年7月~2020年6月)の売上は対前年比5%増の710億ドル(約7兆4,700億円)を達成し、懸念されていた化粧品部門でも4%増だった。一方で売上不振が続いているグルーミング部門は2%減となった。

2020年2月20日に日経新聞に掲載された2020年度に業績を伸ばす企業ランキングには大手製薬会社やGAFAと並び3位にP&Gが入っている。

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