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サムスンやP&Gが競うビューティルーティンを変える最新デバイス【CES2020】

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CES2020レポート5回目は、スタートアップ企業のブースが集まるEureka Parkなど、会場内で発見した革新的なホームユース・ビューティデバイスを紹介する。香りの目覚まし時計からコスメ専用冷蔵庫、スマート歯ブラシまで、暮らしに密着したガジェットが多彩に提案され、近い将来、寝起きから身支度まで、人々のビューティルーティンが変わる予感にあふれている。

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スタートアップ企業のブースが集まる
Eureka Park

香りが爽やかな朝を導く目覚まし時計

1つ目は、創業120年を迎えるフランスの老舗フレグランス企業 Maison Berger Parisが、昨年買収したスタートアップ Bescentと共同開発した香りの目覚まし時計だ。

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このベッドルーム専用時計は、Maison Berger Parisが機能別に特別調合した香りに加え、光、音などを用いて、嗅覚や聴覚など複数の感覚を刺激しながら、すみやかな睡眠への導入や快適な起床を促すというものだ。香りは専用フレグランスカプセルに閉じ込められているため、通常のディフューザーのように水や熱を必要とせず、完全に気密で乾燥した香りの拡散システムを実現している。香りは毎日5分間放出され、30日間連続使用が可能。RF識別タグでカプセルをトラッキングすることで、同社が交換時期を判断しユーザーに通知する。

創業当時17歳だったギョーム・ロラン(Guillaume Rolland)氏が立ち上げたBescentが開発した香りの目覚まし「Sensorwake」は、すでに市場に出回っているが、Maison Berger Parisの名前で今回発表されたこの製品は、4つのバージョンで用意された高いクオリティの調香、繊細な本体デザインなどで差別化を図っている。CES2020が初披露で、販売開始は今年の9月頃を予定する。

今回、Maison Berger Parisは、自分で混ぜ合わせなくてよい“そのまま使える(Ready to use)”エッセンシャルオイルブレンドによる機能性フレグランスのディフューザー「Mist Diffusers」も業界初として展示。睡眠導入を助ける「スイートドリーム」、活力を感じる「エナジー」、ムードを向上させる「ハッピー」、緊張を解く「リラックス」の4種類の香りを販売しており、価格は90ドル。

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出典:Maison Berger Paris 公式サイト

化粧品の品質を保つサムスンのIoTビューティ冷蔵庫

サムスンからは「Cube Refrigerator series」の1つとして、コンパクトサイズの化粧品専用冷蔵庫が発表された。

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熱や光に弱いレチノール、ビタミン、プロバイオティクスなどが配合されたトナー、ローション、ジェルといった、ハイエンド・プロダクツの品質を保持しながら保管することを想定して開発された。静音かつスペースをとらない大きさで、カラーバリエーションもあり、ベッドルームやバスルームなど化粧品を使う場所に違和感なく設置できる。WiFiに接続可能なので、サムスンのアプリから遠隔でも温度調節や内容のモニタリングが行える。

保存料を含まない自然派コスメの人気も高まっているなかで、劣化を抑え化粧品をフレッシュに保つ専用冷蔵庫の需要は確実にありそうだ。

Cube Refrigerator seriesでは、このほかに、ワイン用、ビール用もあり、CES2020家電部門で革新賞(Innovation Award Honoree)を受賞している。

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出典:サムスン プレスリリース

正しい歯磨きをコーチするのはスマート電動歯ブラシ

P&G傘下のオーラルBやコルゲート・パーモリーブらがしのぎを削り、注目が高まるのがスマート電動歯ブラシだ。

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オーラルBがCESのLifeLab内で発表したAI搭載のスマート歯ブラシ「Oral-B iO」は、回転時に摩擦のおきないマグネティックドライブシステムを採用したブラシヘッドで、より快適で効果的な歯磨きを実現するとうたう。そして、一番の特徴は「AIが正しい歯磨きの仕方を指導してくれる」ところだ。

AIには何千ものブラッシングパターンが記録されており、これをもとにユーザーの歯磨きの特徴をつかみ専用アプリに送信。適切なブラッシングのやり方を即時にガイドする。ブラシ部分にはセンサーが内蔵されブラシの回転や歯や歯茎にかかる圧力を計測し、歯ブラシのグリップ部分のディスプレーに、適切な時は「スマイル」不適切な時は「不満顔」をリアルタイムで表示。また、リングライトの色が変わることで圧力が適当かを教えてくれる。

知覚過敏、ホワイトニングなど7種類のモードから好きなものを選べるほか、理想の歯磨き時間2分間のカウントも可能。さらに、歯磨き終了後には、磨き残し、圧力の具合など毎回のブラッシングの全体評価をアプリで確認ができる。

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Oral-B iO
 出典:P&G公式サイト

会場で実際にトライアルしてみたが、歯ブラシ自体が圧力や時間をその場でわかりやすく教えてくれるのは便利だと感じる。あわせて、アプリで毎日の歯磨きの記録や磨き残しをチェックすることで、ブラッシングの質も上がるだろう。Oral-B iOはヘルス&ウェルネス部門で革新賞(Innovation Award Honoree)を受賞した。

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Colgate Plaqless Pro
出典:PR Wire

一方、コルゲート・パーモリーブが「Now, we’re making the invisible, visible(見えないものを、見えるように)」とのコピーを掲げて発表した「Colgate Plaqless Pro」は、業界初のスマート・オプティカル・センサーをブラシヘッドに搭載。歯の汚れ(バイオフィルム)を検知すると、歯ブラシのリングライトが青く点灯しリアルタイムで教えてくれる。ブラッシングをして歯垢などの汚れが取れると、ライトが白くなり、磨き残しがなくなったことがわかる。またアプリを参照して、歯を磨いた箇所、磨き残した箇所、磨いた箇所が本当にキレイになったかなどを正確にチェックできる。

ブラッシングの即時フィードバックにより完璧な口腔衛生の達成を促す点が評価され、ヘルス&ウェルネス部門でベスト革新賞(Best of Innovation)を受賞した。発売は2020年内の予定。

これに対し、大手2社とは全く違う発想の歯ブラシを提案するのはフランスのスタートアップFasTeesHである。

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同社の電動歯ブラシ「Y-Brush」のうたい文句は「たった10秒で完璧にブラッシングできる」だ。Y字型の柔らかいシリコン製マウスピースの内側にナイロン毛(nylon bristles)がぴっしりと植え込まれた見た目もユニークである。

Y字の型を上の歯全てにかぶせて軽く噛み、ハンドルのボタンを押すと、5秒間の音波振動で前歯から奥歯まで一気に磨き上げる。ひっくり返して下の歯も同様に5秒間磨けば、歯磨きは終了だ。通常の歯磨きよりも15%多く歯垢を取り除き、使用後も水洗いするだけの簡単なケアで、時短志向の消費者に歓迎されそうだ。

既に販売が始まっており、価格は、ハンドル、Y字ブラシ、チャージャーがセットで125ドル。ブラシは子供用と大人用の2種類で6ヶ月ほど使用可能という。

バイオプラズマ使用の電動デオドラントで脇のにおいをカット

市販されている従来のデオドランド剤のように化学物質を含まず、電動で手軽な使い心地を叶えたのが、韓国の漢陽大学チームが開発したバイオプラズマを使ったエレクトリック・デオドラント「Pragrant」だ。

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Pragrant
出典:漢陽大学プレスリリース

脇の下などにおいが気になる部位にデオドラント部分を当てると、デバイスが肌と生体適合性のあるバイオマテリアルの間に電場(electric field)を作り、臭気のもととなる分子を破壊し、微生物を殺菌する仕組みで、肌がかぶれたり、ベタつく心配はない。また、においを感知するセンサーがあり、専用アプリ上でにおいの度合いや使用後のバイオプラズマの効果を数値で可視化して知らせてくれる。

こちらの製品もヘルス&ウェルネス部門で革新賞(Innovation Award Honoree)を受賞。2020年前期に販売開始を目標としている。

ひと吹きで塗り残しなしのスマート日焼け止めスプレー

全身にくまなく日焼け止めを塗ることができるスプレー式デバイス、それがドイツのスタートアップIoniq が開発した「Ioniq one」だ。

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Ioniq One
出典:Ioniq公式サイト

特許取得技術のMagnetic Skin Technologyにより、デバイスと肌の間に日焼け止めローションが引きつけられる磁場を生み出し、スプレーされた液体は、たとえ風が吹いていても飛び散ることなく肌にくっつき、均等に塗布できる仕組みという。そのため、背中など見えない部分でも塗り残しがなく、手も汚さず、スプレーした際に洗面台や床、鏡などに飛び散ることも防ぐ。

ブースでのデモンストレーションでは、肌にのみ日焼け止めが塗布され、手をおいた机はまったく汚れないことを実演してみせていた。環境や安全面で懸念があるエアゾールは不使用、専用のローションは100%ヴィーガンで、サンゴ礁にも悪影響を与えない。日焼け止めのほか、ボディ用モイスチャライザー、蚊除け、タンニングなどのラインも取り揃える。2020年前期に販売開始予定。

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歯ブラシやデオドランドなど、身近な製品が次々と“スマート化”されてきているが、2020年のCESでは毎日使うものとして、デザインや使い心地がより洗練されてきているのを感じる。早期の市場への投入を計画している製品も多く、暮らしに広く浸透するのも時間の問題だろう。

<そのほかのCES2020レポートはこちら>
(1)P&Gやロレアルが明示、ハイパー・パーソナライゼーションの時代
(2)アモーレパシフィックが店頭での3Dプリントパーソナライズマスクを実現
(3)CareOSやHiMirror、ホームユース・スマートミラー元年を導く
(4)AR/AI搭載スマートミラーの多機能化で、境目のないユーザー体験

Text & photos: 東リカ(Rika Higashi)

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