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インド美容ECのBODDESS、Z世代へのメッセージ性とオムニチャネル戦略で急成長

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インドの新興マルチビューティECプラットフォーム「BODDESS」は、2021年に初の旗艦店をオープンし注目を集めた。先行する「Nykka」との大きな違いは、インド女性のエンパワメントをコアバリューとし、ブランドアンバサダーやインフルエンサーを活用したSNSマーケティングを展開するメッセージ性だ。同時に、ECとリアル店舗の双方で、パーソナライズされたユーザー体験の提供を目指すBODDESSが描く成長戦略を考察する。

女性エンパワメントの一貫したメッセージ性とプレミアムな購買体験の追求

ポストパンデミックのフェーズに入ったインドでは美容業界の活況が著しい。2019年から2022年にかけて、80以上のビューティやセルフケア関連企業が創業されているが、なかでも、2020年にリティカ・シャルマ(Ritika Sharma)氏によって創業されたばかりの海外のプレミアムラインや先進的なインド国内ブランドを販売する化粧品専門ECプラットフォーム「BODDESS」は、これまでのECとは一線を画すポジショニングをとり、その存在感を高めている。

BODDESSは、オムニチャネル化を実現し、ECとリアルな店舗の両方でプレミアムな購買体験を提供することで消費者をエンパワメント、美容とスキンケアのワンストップサービスを創ることをビジョンに掲げる。

具体的にはAIやARを活用した肌診断やバーチャルメイクを用いて、各自に適した商品レコメンドや、一人ひとり異なるビューティの課題の解決を提案するパーソナライズを進め、消費者との長期的な関係構築を目的とした顧客ロイヤリティマネージメントに力を入れているのが特徴だ。

ブランドとしてBODDESSは、「高級・モダン・野心的」とのコンセプトキーワードを定め、とくに女性のエンパワメントの後押しをコアバリューとしている。その背景には、インドでは歴史的に、女性が積極的に表舞台に出て行くことや好みのままに自分らしくビューティを楽しむことを「ナルシズム」として批判し抑圧する社会的な傾向がある。この流れに一石を投じ、インドの伝統的な美容とその多様性に敬意を払いつつ、既存概念を解体していくことをBODDESSはミッションとしている。

こうした志向性を持つ同社は、グローバルなトレンドと呼応して性別や年齢の枠を超え、社会通念からの脱却や開放を望むイノベーティブな女性、そして、それに賛同する男性をメインターゲット層としている。

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