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創業123年の中国化粧品企業「Jahwa」、ロレアル出身CEOの改革とDXでV字回復

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中国の化粧品市場では近年、新興ブランドの躍進に注目が集まっているが、老舗ブランドも負けてはいない。創業123年の「Jahwa(上海家化聯合)」が好調だ。昨年の前半は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けたが、後半に急回復した。中国経済が復調に向かったことも大きいが、要因はそれだけではない。2020年4月に就任したロレアルグループ出身の潘秋生CEOが次々と放つDX、そしてデータに基づく選択と集中が奏功している。

直近1年の株価はストップ高を8回記録するV字回復

コロナ下での2020年、Jahwa の売上高は前年比7.4%減の70億3,239万元(約1,176億円)だったが、下期はV字回復へと向かい、第4四半期の純利益は前年同期比608.7%増の1億1,809万元(約20億円)とコロナ前を大きく上回った。現地の報道によると、上海証券取引所に上場する同社はこの1年でストップ高を8回記録。現在の時価総額は、319億7,300万元(約5,371億円)だ(2021年3月時点)。

Jahwaの創業は清代末期に遡る。前身の香港広生行が1898年に設立され、花露水(オーデコロン)などの販売を開始。まもなく上海に進出した。中華人民共和国が建国した1949年以降は、政府が介入する公私合営へと経営形態を変え、文化大革命の時代も乗り越えてきた。

長年、上海市政府傘下の国有企業だったが、2011年に中国平安保険グループが約50億元(約840億円)で買収し、同社の傘下に収まった。だが、中国平安の買収後、上海家化は低迷が続いていた。それに追い討ちをかけたのが新型コロナウイルス感染症だった。

2020年4月には、突如CEOが潘秋生(Alex Pan)氏に交代。9年間でトップが交代するのは3度目だ。親会社の平安保険グループが厳しい目で経営手腕を評価しているのだろう。潘氏は、ロレアルグループの大衆化粧品部門の中国・アジア太平洋地区の責任者を4年務めた実績があり、その手腕が発揮され業績が回復している。

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出典:Jahwa公式サイト

同社は、生薬を配合した「HERBORIST(佰草集)」や上海交通大学医学院などと共同開発し、肌のバリア機能を正常化するとうたうドクターズコスメ「Dr.Yu(玉澤)」などのスキンケアブランド、創業時に誕生し2010年に復活した高価格帯化粧品ブランド「VIVE(雙妹)」、オーデコロン・洗浄料ブランド「六神」、メンズスキンケアブランド「gf(高夫)」、洗剤ブランド「HomeAegis(家安)」、ベビースキンケアブランド「Giving(启初)」など、10ブランドを展開している。

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