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欧州企業を日本進出支援するNEXTBLUE、女性のウェルビーイングを促進する新ファンド設立

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欧州と日本のスタートアップに投資するベンチャーキャピタルNEXTBLUE2号有限責任事業組合(以下、NEXTBLUE)は、2023年9月末にアジアで初めて「女性のウェルビーイング」に特化したファンドを組成した。フェムテック市場の活性化や女性起業家の活躍を後押ししながら、日本市場を刺激していくのが狙いだ。同社ゼネラルパートナーを務める井上加奈子氏に、欧州スタートアップ事情や日本市場の評価、新ファンドの展望について話を聞いた。


NEXTBLUEが欧州スタートアップを支援する理由

2020年1月に設立されたNEXTBLUEは、欧州スタートアップへの投資と日本進出支援に特化したベンチャーキャピタル(以下、VC)だ。設立メンバーでゼネラルパートナーを務める井上加奈子氏は、設立の経緯について次のように説明する。

NEXTBLUE有限責任事業組合 ゼネラルパートナー 井上加奈子氏
プロフィール/慶應大学卒業後、大手法律事務所を経てGCAサヴィアンでM&Aアドバイザリー事業に従事。2013年にKellogg School of Management卒業後、BCG(ボストン・コンサルティング・グループ)に入社し、新規事業開発、M&A戦略、海外展開戦略、商品戦略等を立案。2016年に創業メンバーとしてD4V入社。ポートフォリオディレクターとしてファンドの投資戦略策定及び投資を実施。2020年3月に日欧のスタートアップに投資を行うVC、NEXTBLUEを設立

「1号ファンドの立ち上げが完了したのは2020年3月だったが、当時から欧州と日本に半分ずつ投資していく方針を掲げてきた。理由としては、日本のスタートアップエコシステムはまだまだ発展途上にあると感じていたためだ。欧州や米国など、グローバル市場の先進的なエコシステムから良い影響を日本に“輸入”したいと考えていた」(井上氏)

井上氏は大手コンサルティングファームなどでM&Aアドバイザリー、新規事業および海外展開戦略立案などに従事後、アーリーステージのスタートアップにフォーカスする東京拠点のVCであるD4Vでポートフォリオマネジャーを務めてきた経歴を持つ。ほかの設立メンバーもグローバル市場やスタートアップの事情に精通しており、ともに早くから欧州の可能性に着目してきたという。

NEXTBLUE 1号ファンドでは15億円を運用し、オーガニック生理用品のサブスクサービスを展開するOhne Limited(英)や、多発性硬化症患者向けアプリを提供するBreakthroughX Health GmbH(独)、ARアート作成ツールを開発するArtivive GmbH(豪)、そして、中小ホテルの運営自動化・一元化サービス「Wasimil」を提供する株式会社AZOO(日)など、日欧の幅広い業種のスタートアップ約40社に投資を行ってきた。

NEXTBLUEが投資を実行した欧州スタートアップ(抜粋)

「欧州では国境をまたいだ積極的な資金調達が行われており、競争が熾烈だ。また、スタートアップの数は日本の100倍ほどあり、勝ち抜くために各社が戦略を研ぎ澄ましている。そのなかから有望なスタートアップを発掘し、日本進出を支援することで、日本国内に刺激を与えていくことが私たちの狙いだ」(井上氏)

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