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フランスで高まる“ビアンネートル”、癒しと美、ソシオエスティシャンの貢献まで

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2021年2月に美容業界の女性マネジメントのグローバルコミュニティ、CEW Franceが開催したウェビナーで語られたテーマは、消費者の間で高まる「ビアンネートル」だ。ホリスティックなケアを提案するプラットフォーマー、顔に特化したマッサージセラピーのスペシャリスト、オーガニックにこだわるドクターズコスメのスタートアップらが登壇した。ロックダウンは解除されたものの、なおもストレスの高い不自由な生活を強いられるなか、フランス式ウエルビーイングのあり方を考える。

心と体の健康「ビアンネートル」をテーマにしたウェビナー

パンデミックの収束がいまだみえないなか、フランスでは消費者の間でビアンネートル(仏語でウエルビーイングの意味) への関心がこれまで以上に増している。ロックダウン中には、美容企業・スタートアップが、Instagramライブでヨガレッスンやヘルシーな料理のレシピを配信するなど、自宅にこもるファンコミュニティのメンタルを支えようとする連帯の姿がみられた。しかし、ロックダウン解除後も、暮らしがすべて元どおりになったわけではなく、不安やストレスを抱えながら孤立した生活が続いており、自分自身で心と体のメンテナンスをする必要性が切実になっている。

そんな状況から、2021年2月11日に、美容業界の女性管理職のための国際組織、CEW(コスメティック・エグゼクティブ・ウーマン) のフランス支部CEW Franceにより、「ビアンネートル」をテーマとしたオンラインセミナーが開催され、マッサージやセラピー、生活習慣まで包括的に助言するドクターズコスメなど、ホリスティックなケアを提供する3企業が登壇した。各社の紹介とともに、コロナ禍で消費者に寄り添う彼らの活動についてレポートする。

ビアンネートル(Bien-être)とは、明確に定義することは難しいが、”心も体も健やかにある状態”とされる。美容、健康、暮らしの分野では、アロマテラピー、ヨガ、瞑想、森林浴、ヒーリング音楽 、健康食品など 、五感に訴える製品やサービスが多い。マッサージやスパもビアンネートルに含まれ、ストレス社会を生きる現代人に「癒し」「健やかさ」をもたらすもの=ビアンネートルと言い換えることもできそうだ。

フランスでは、昔から’’ナチュラル’’なケアを好む傾向があり、たとえば、海水を用いたタラソテラピーセンター(海洋療法)、温泉保養地(温泉療法)、スパ施設など、リラクゼーションや保養・休養を目的とする施設が多数存在する。また、ビアンネートルに関する大きな見本市も複数開催されており、西洋・東洋のさまざまなマッサージやセラピーが紹介されている。

ビアンネートルに特化したプラットフォームHolissence

「ビアンネートルとは、身体と精神のハーモニーだ」と表現するのは、ビアンネートルに特化してホリスティックな情報を発信するプラットフォーム「Holissence」を創業したエロディー・ジャックモンド(Elodie Jacquemond)氏だ。プラットフォーム上では、美容、食事、旅行、あるいは月のエネルギーなど、さまざまな観点から心と体の状態を整える情報を発信するほか、同社が経営する美容サロンのマッサージやセラピー、コンサルティングの予約を受け付ける。また、ポッドキャストでは、ヨガにもとづく心身を落ち着かせる技術のソフロロジー、音の振動を用いるソノテラピーなど、まだ知名度がそれほど高くない施術について、セラピストにインタビューしながらその技術や歴史、正当性を説明している。

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