中国でニーズ増の越境EC、大眼睛買買買などニッチブランドを扱うプラットフォームも
◆ English version: Booming business for new Chinese cross border e-commerce platforms, with Japanese cosmetics brands, also get a piece of the pie
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新型コロナウイルス感染症の世界的パンデミックで海外旅行ができないとの理由もあり、中国では越境ECの利用者が増えている。アリババグループの「Tmall Global(天猫国際)」では海外ブランドの新規出店が加速しているが、中国にはほかにも美容に強い、ニッチな越境 ECが存在する。新しいブランドを探したいユーザーと、 日本の新興や中小規模のブランドにとっての出会いの場として注目したい。
※各プラットフォームでの商品販売個数はすべて累計、2020年12月20日現在の数字
アリババグループとJD.comを追う「vip.com」
中国の調査会社iiMedia Research(艾媒諮詢)によると、2020年上半期の中国内越境ECの市場シェアはアリババグループの「Kaola(考拉海購)」とTmall Globalがあわせて56.5%で、それに続き、JD.com(京東商城)の「京東国際」が17.8%と、2社で7割以上を占め、残りの25%強を数多くの中小プラットフォームが奪い合っている状態だ。
アリババグループを1社とみなすと、越境ECの3位につけているのは「vip.com(唯品会)」が運営する「唯品国際」で、10%のシェアを確保している。2008年にローンチされたvip.comは女性をターゲットとし、セールイベントに力を入れ成長してきた。2012年ニューヨーク証券取引所に上場し、時価総額は171.7億ドル(約1兆8,000億円)を超える。
現地報道によると、ユーザーの69%を女性が占めており、年齢構成は25~34歳が58%、19~24歳が29%、35~49歳が10%となっている。取り扱いジャンルはアパレル、ベビー用品、家電、化粧品だ。直近の第3四半期決算によると、売上高は前年同期比18.2%増の232億元(約3,666億円)で、GMV(流通取引額)は21%増の383億元(約6,051億円)、アクティブユーザー数は36%増の4,340万人と好調だった。
唯品国際は独立したプラットフォームではなく、vip.comのなかの1つのカテゴリーという位置付けだ。Tmall Globalのようにブランドが出店するモールタイプではなく、唯品国際が受注し、自社倉庫から商品を出荷する。
vip.com(唯品会)の
日本の商品だけを扱う「日本館」
出典:vip.com(唯品会)
パーソナルケアや化粧品のメジャーブランドはひと通り取り扱われているが、ニッチブランドも少なくない。唯品国際の化粧水カテゴリーで最も売れている日本ブランドは「Purevivi」(日本でのブランド名はアロヴィヴィ)の「ハトムギ美容水」で、11万6,000個が販売され、商品のコメント欄に表示された数値によれば、ユーザーの99.35%が満足している。同じく美容液ではロート製薬の「メラノCC」が2万4,000個、日焼け止めでは資生堂の「ANESSA パーフェクトUV スキンケアミルク a」が20万3,000個を記録している。
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