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【NRF APAC 2024③】「スマートセルフレジ」「RFID」「エッジAI」「PLM」リテールテックの最前線

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2024年6月にシンガポールで開催された「NRF 2024: Retail’s Big Show Asia Pacific(NRF APAC)」の現地取材レポートの3回目は、出展企業が提案するイノベイティブなリテールテックを紹介する。実店舗での顧客体験を向上させるスムーズなセルフレジや、RFIDやAIを活用したバックオブストア管理システムと店舗管理システム、そして、商品の企画から販売までをサポートする製品ライフサイクル管理(PLM)ソリューションなどだ。


実店舗とECの表と裏をシームレスにつなぎ顧客体験を向上させるリテールテック

今回のNRF APACでは、グーグルやインテル、Shopifyなどのグローバル企業をはじめ、アジア太平洋地域発のスタートアップや、米国のNRFの常連企業など238社が出展し、ガジェットからAIプラットフォームまでさまざまなリテールテックを披露した。APACの一員である日本からの企業の出展や来場者も目立っていたイベントでもあった。

イオン:スマートセルフレジ「レジゴー」や従業員トレーニングVR

別会場での登壇セッションにおいてイオンは、実店舗という顧客とリアルに出会う小売の現場にはまだまだ多くの可能性が残されているとして、「お客様が訪れ、笑顔になり、(私たちの)仲間になってくれる、それを可能にするテクノロジーを“ライフテック”と呼んでいる」と話した。ライフテックの一例が、同社の展示ブースでデモを行ったスマートセルフレジ「レジゴー」だ。

レジゴーアプリを入れたスマホあるいは店舗に備え付けのレジゴースマホを買い物カートに設置。店舗の棚を見て回りながら買いたい商品を選んでバーコードをスマホでスキャンしてカゴに入れていく。最後に支払いコードをスキャンして専用レジで会計を済ませ、スマホに提示されるコードを出口ゲートの画面にかざして完了する仕組みだ。ときとして長い列ができることもある一般レジに並ぶ必要がなく、また、スマホの画面にはカゴのなかの商品とその価格、合計金額が常に表示されるので、買い物をしながら今現在の購入額や買い忘れがないかの確認も簡単にできる。

また、イオンでは2022年から「イオン」と「イオンスタイル」の全店舗で従業員教育にVRプラットフォーム「InstaVR」を導入し、多様な業務に対応する学習コンテンツの拡充を進めているとする。展示ブースでも2台のVRを設置し、来場者が店舗のレジ打ち操作の練習コンテンツをバーチャル体験できるようにした。従業員からは「作業手順の理解が深まる」「ゲーム感覚で楽しく学べる」とポジティブな感想が寄せられているといい、VRにより入社時の導入教育にかかる時間を1店舗/1カ月あたり約40時間削減できたとする。

教育用VRと生成AI活用の展示

イオンは生成AIの活用にも積極的で、店舗運営や商品企画、IT開発のコード生成などの用途で利用している。展示ブースでは、ECサイトに掲載する新商品のキャッチコピーや説明文を考える際に、たとえば、「25〜35歳の女性」といったターゲット属性や、「チョコレートの甘さと苦味を兼ね備えた大人の味のチョコファッジ」などの商品特性をプロンプトに、生成AIが文章を作成・提案する流れをスタッフがタブレットで実演した。

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