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コスモプロフ アジア2017は、K-Beauty、高機能マスク、アプリが主役!

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世界の美容業界関係者が一堂に集結するコスモプロフアジア2017。その最終日にメイン会場の香港国際展示会議場を訪れた。今年は名誉参加国の韓国のK-Beautyが圧倒的な存在感を見せる一方、会場全体で、高機能付加価値マスクの台頭、家庭用LED美容機器やスマホアプリ連動美顔器の可能性を感じさせられた。熱気溢れるイベントを現地からレポートしよう。

2017年のコスモプロフアジアは、香港中心部にある湾仔の国際展示会議場と、香港国際空港に近いアジア・ワールドEXPOの2カ所で開催。昨年比7%増となる世界54カ地域から2877社が出店し、135地域から昨年比9%増となる83,793人の来場者が訪れた。

掘り出しものの宝庫だが発掘には根気が必要

開催中日の11月16日、まずは53カ国2034社が出展する湾仔の会場へ。「Cosmetics & Toiletries」「Beauty Salon」「Hair Salon」「Nail & Accessories」「Discover Trends」「Wellness & SPA」「Natural Organic」という7つのカテゴリーによる展示もあるものの、実際には例えばイタリアのブースが並んでいる中に、自然派化粧品、メイクアップ用品、ガジェット、さらにヘアケア用品がバラバラに入っている、というように分類はあってないようなもの。

そして同じ国でも業界団体ごとに展示場所が分散して、その中にまた様々なカテゴリーがランダムに混在している。また各展示が外から見て、一目瞭然で内容や売りが分かるようには必ずしもデザインされていないこともあり、展示スタッフに説明を受けて初めてそれが画期的なアイテムだと気づくことも。

「掘り出しものの山だけど、掘り出すのには勘と根気が必要ね」
そんな日本人来場者の会話が聞こえてくるほどだ。各国からの展示スタッフとの会話は、主に英語、そして北京語話者もかなりの数がいた。実は今回2017年の来場者数が最多だったのは日本人という統計結果が発表されており、来年度は日本語でのコミュニケーションを重視する流れが生まれるかもしれない。

日本の中小企業が初めて海外進出をする際の支援の一環として、コスモプロフ出展を推進するJETROものづくり産業部生活関連産業課の春田麻里沙さんは「今回は、発想が新しく付加価値がありながらも価格が抑えめだったり、機能を絞りこんで特徴を際立たせた商品がアジアからたくさん出品されている」と語る。

名誉参加国・韓国K-Beautyが会場を埋め尽くす

昨年度の日本に続き、The Country of Honour (名誉参加国)となった韓国からは549社が参加。全体の約26%を占めたが、大型ブースも多かったため、現地では数字以上の存在感があった。

店頭顔負けの展示と対応をするブランドもかなりの数にのぼり、来場者の人気を呼んでいた。韓国で大人気のブランドBeauty Peopleは人が集まっていたブースの一つ。レトロな白雪姫のキャラクターで話題のSnow Whiteシリーズの新色に強い興味を示すアジア系、欧米系両方のビジターで賑わった。

テレビスクリーンでチュートリアルやプロモビデオを流すスタイルも目立った。

高機能・付加価値のあるマスクが今年の主役

会場全体で最大のトレンドであることを感じさせたのは高機能・付加価値マスクだ。特定の部位や機能に特化したタイプが目についた。

その典型例が、韓国のKOCOSTAR。ぽってりとしたリップ型ケースのLIP MASKに目が惹きつけられた。ケースと同じリップ型のハイドロジェルの薄い半透明シートが20枚入っていて、主にメイクアップ前に唇の上にあてがい、乾燥してひび割れした唇を、「Kissable(キスできる)」唇に変身させる、というコンセプト。

出典:http://www.kocostar.com/portfolio_page/lip-mask-pink/

実際に試してみると、ソフトでひんやりした感触が気持ちよく、これを実際に装着した姿が面白いことから、インスタグラムなどでシェアされることを想定しているのが分かる。

ケースのカラーごとに成分が異なり、ピンクはラブリーピーチ、ミントはフレッシュグリーングレープ、黒はセクシーブラックチェリー、最も華やかな赤がローズと、わかりやすい成分が使われている。気軽なギフトとしても人気を呼びそうだ。

他にもキャンディケースのような丸い缶が並んでおり、缶のカラーごとにアサイベリー、マンゴー、ココナッツ、パパイヤというトロピカルフルーツの成分を使ったアイマスクになっている。

次に訪れた韓国のLK Cosmeticsでも、カタツムリや馬油など、成分名で驚かせるマスクから、アロエ、アサイベリー、蜂蜜など、日常で健康食品として知られている成分を使用した、ナチュラル志向ながら洗練された路線への転換が見受けられた。

写真の展示手前が最新マスク、奥が現行製品だという。同社では、お馴染みのカタツムリ製品を、キュートで安心感のあるパッケージで展開中。

また、センスのいいイラストレーションを採用したボックスで、ギフト需要が高そうな韓国Wonjinのマスク。肌のトーンを上げるLightening Tone Up Mask、肌の緊急事態に対応するWater Bomb Maskなど、高機能ながらキュートなパッケージとセンスあるネーミングが人気とのこと。

マスクを付けた男性スタッフに人だかりができていたのが、韓国THE OOZOO(ザ・宇宙/ 韓国の俳優、ペ・ヨンジュンの事務所が立ち上げたコスメブランド)のFresh Capsule Mask。有効成分の効果を損ねないように、マスク着用時にフィルター付き酵母発酵アンプルで基本成分を混ぜるという仕組みになっている。話題になった注射器型アンプルのマスクのように、機能性へのこだわりとパッケージングの面白さ、プレゼンテーションの工夫で高い関心を寄せられていた。

台湾、中国でもユニークなマスクが次々と

一方、韓国以外の台湾、中国でもさまざまな付加価値マスクが見られた。

遠赤外線技術を活用した製品を手がける台湾のMUB BIO-TECHNOLOGYは、500回まで繰り返し使用可能な3Dフェイシャルマスクを主力商品として展示。アンチエイジング、保湿など機能別にわかれている。

同じ台湾からの提提研社では、主力製品TIMELESS TRUTH MASKをフランスで高い評価を得ている台湾製マスクとしてフィーチャー。足や手のためのボディマスクも展示されていた。

NiveaDettolなど、アメリカを始めとする世界各国ブランドへのマスク、ウエットティッシュ、ローションのOEM/ODM供給メーカーとして実績を築いてきた中国広東省のNBC(Nox Bellcow)社のブースには、さまざまなタイプのマスクサンプルが並ぶ。

なかでも今回の目玉商品となるのが、2010年のノーベル物理学賞の研究対象素材であるグラフェンを活用したバイオマス・グラフェン・マスク。強い吸収力、遠赤外線排出、抗菌作用、マイナスイオン生成、環境に優しいという5つの特徴があるそうだ。

50,000㎡の敷地に研究所と工場と3000人の従業員を抱え、1日400万枚以上のフェイスマスク、50万個以上のローション製品を製造している同社は日本にも進出する予定だという。

バイオマス・グラフェンの他にも竹炭、マイクロエマルジョンなどの成分を使ったマスク、テンセル素材を使いアートグラフィックを描いたマスク、親子で使えるキュートなデザインや透明のマスクなど、多彩な商品ラインナップからも市場分析がよくされていることがうかがえる。

展示スペース自体もプロフェッショナルで技術力の高さが伝わるデザインになっており、コスモプロフをうまく活用していることが伝わってくる。

家庭用LED美容機器が花盛り

シートマスクと共に、今回のコスモプロフで目を引いたのが、家庭用美容機器。中でも美肌トリートメントとして人気のLEDフェイシャルを安全に自宅で行えることをうたった製品が多数展示されていた。

韓国のO’Melon社では、寝た状態で顔の上に置く家庭用の低レベルLEDセラピーOMEGA Lightを展示。求める効果によって4色の光を使い分けることができる。

さらなる新技術を使った美容機器は「Discover Trends」コーナーで見ることができた。香港の美容機器メーカーDixix Internationalでは、乾電池式の家庭用LED美顔器を展示。1台で2色を扱うようになっており、例えば、アンチエイジング効果を謳うタイプでは、グリーン、イエロー、グリーン+イエローの3つのライトを選ぶことができる。グリーンはシミ、イエローはしわを軽減する。

自撮りやバーチャルメイクだけじゃない、スマートフォンとの連動に新たな可能性

韓国のバイオメトリックメーカーUnion Community社のnurugoブランドは、スマートフォンのカメラに取り付ける様々な肌質診断用レンズアダプターを開発。その1つ、SmartUVは目には見えない日焼けによるダメージを画面に映し出す。

またNurugo Derma – Skin Analyzerは、レンズアダプターとスマホにインストールしたアプリが連動して、肌の状態を綿密に分析する。使い方も簡単で結果が一目瞭然。続々とバイヤーたちがが製品購入を決めていた。

同じ「Discover Trends」エリアの中で、Bluetoothを使ってスマホアプリと連動させるスマート美顔器が展示されていた。フェイスリフト、引き締めなどの機能を備え、使用の前後の肌データを記録し比較することができるほか、アプリから肌状態に合わせた美容情報やアドバイスを入手できる仕組みだ。

このNanoTime Beautyブランド、実は横浜市に本社を置くタイムラブ社の製品で、開発は中国・深圳で行っているという。

会場でお会いした小口洋子代表取締役は「スマホアプリの活用が進む中国本土では、開発力が日本よりはるかに高く体制も整っていたため、生産を決めた。販売もまずは海外からスタートした」と語る。来年には日本での販売も予定しているという。

また、中国本土にある美容学校のブースでは、個人個人の肌データをスマホアプリから見ながらフェイシャルトリートメントが行われていた。高度な技術を低価格で使用でき、アップデートも随時できることから、今後の発展が著しそうなプラットフォームだ。

アメリカで話題の家庭用美顔器、脱毛器

アメリカのICTV Brands社は、通販番組で知名度が非常に高いというDermaWandという美顔器を出展していた。

マイクロカレントが熱エネルギーを表皮に伝えることで肌のくすみを消し、1秒に10万サイクルのマイクロカレントを起こすことによるマッサージ効果で血液、酸素、栄養素の循環を上昇、酸素富化で肌を浸すことによる毛穴引き締めなど、スパの専用マシンレベルの効果を家庭で実現できることが売りという。

また、会場全体で家庭用美顔器とともに目立っていたのが家庭用脱毛器。ICTV Brands社では特許取得のTHERMICON技術を使い、光の代わりに熱をつかってむだ毛の成長を遅延させる仕組みを使っている。繰り返し使用するうちに、毛の再生速度が非常に遅くなるという。

「no! no!」シリーズは、世界で600万台以上を販売している人気商品だ。こちらも日本に販路を来年広げる予定だ。

日本未進出ブランドとの出会いを求めて

会場内には、トルコやイスラエルなど日本未進出の海外ブランドも多数出展されている。

トルコで47年の歴史を持ち、同国メイクアップ化粧品市場の21%を占めるという人気ブランドflormar。2012年にはGroupe Rocherの子会社となり、世界展開を加速している。

今回の出展は、アジア進出への熱意と受け取れる。

もう1つ、存在感があったのがイスラエル。非常に洗練された印象を与えるブースがそろっていた。

DJがいるスタイリッシュなブースがひときわ目を惹いたBronx Colorsはスイス発のプロ用コスメブランド。

今回のコスモプロフでは、自然派化粧品も多数出展されていた。各国で地産の原料を使うことをアピールしている場合が多いが、どこの国であってもコンセプト、商品やブースのデザインが似てくるせいか、特徴が掴みにくい部分もある。下の写真はオーストラリアとタイの自然派化粧品ブランド。

このエリアでひときわ大きな人だかりを集めたのが英国発のタトゥーシールブランド、Paperself。タトゥー文化の浸透では先を行くヨーロッパならではの洗煉されたアーティスティックで凝ったデザインを手に取るアジア系ビジターが多かった。

強みを磨いたニッチ製品でブランド力アップを狙う日本企業

今回のコスモプロフには、日本からは90社が展示に参加している。その中で、海外初進出をねらい、ブランド力向上を目指す中小企業20社をJETROがまとめている。

冒頭に登場いただいたJETROものづくり事業部の春田さんは、日本のブランドがめざすべき方向をこう語った。

「日本製品の品質が高いという定評に甘えて、ただ製品を作って高い価格で売るというやり方はいまは通用しない。日本でもきちんと売れる内容があり、強みを磨いていくことが大事。そしてeコマースが拡大する今の時代、ブランド力を強めて、指名買いしてもらえること、つまりブランド名をネット検索してもらえることがキーになっている」

二重まぶたを作る美容液から、メイクの一部としてデザインされたカラーコンタクトレンズまで、ユニークな製品が並ぶ中を、世界中のバイヤーが熱心に製品に見入っていた。

大阪で創業65周年をほこる香椎化学工業社も今回の出展社の一つ。大手ブランドにOEMでクリームを製造するなど、品質の高さには定評がある同社だが海外での認知度はこれからだ。

小林直子常務取締役は「戦時中、ひどく肌あれした祖母の手をきれいにしてあげたいという気持ちから祖父が開発した、敏感肌に優しく結果が出るハンドクリームが、会社の核となるものづくり精神を示す主力製品の一つ」と語る。

実際に海外ビジターの反応をきいて得るものは大きかったという。「たとえばハンドクリームは、香港など日本より湿気が高い地域では保湿力が高過ぎる、ミルク程度の質感がちょうどいいことを指摘され、実感しました」

同社がこれまで力を入れてきたプラセンタ配合基礎化粧品は、中国では規制が厳しく販売には壁があったため、反応がいい美白化粧品を強化するなど、海外事情を学びつつアピール力をさらに強めるきっかけを求めているところだという。

多数のブースで話を聞き、商品を見たものの、まだ見ることができていない膨大なブースの中には、埋もれた原石やあっと驚く発想がゴロゴロとしているはず―そんな可能性を大いに感じさせられるコスモプロフでの1日だった。

美容業界の最先端を多角的に深く学ぶセミナーCOSMO TALKS

コスモプロフでは、企業の出展に加えて、さまざまなイベントが開催されていた。その中でも、世界の美容業界最先端で活躍する人材によるセミナーは、その刺激的な内容に集まった観衆が目を輝かせていた。

次回のレポート(12/14更新予定)では、アンチエイジングスキンケアの基礎研究第一人者の資生堂グローバルイノベーションセンター主任研究員の江連智暢氏、そして美容に特化したGoogleのトレンド分析担当者、Flynn Matthews氏とYarden Horwitz氏による講演内容をレポートする予定だ。

Text: 甲斐美也子(Miyako Kai)


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