見出し画像

花王 Biore VIRTUAL STUDIO、 消費者目線で開発したUVケア関連ARコンテンツ

◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

花王株式会社はブラウザでアクセスできるデジタルプラットフォーム「Biore VIRTUAL STUDIO」で、ユーザーの「日焼けストレスからの解放」を通じた、快適な生活の実現を後押しするAR体験を提供している。開発に採用したのは、米カリフォルニアに本拠地を構えるARスタートアップ 8th WallのWebARプラットフォームだ。開発の経緯や今後の展望について、関係者に話を聞いた。

エンターテインメント性と課題解決の双方を満たし、新たな消費者接点へ

花王が「Biore VIRTUAL STUDIO」をリリースしたのは2022年1月。「新しいユーザーとの接点創出と、ブランドロイヤリティ向上のための1つのアプローチ」として、同プロジェクトを立ち上げた。花王でビオレUVを担当する花王株式会社 H&BC スキンケア事業部 ビオレUV シニアマーケター 宿野部淳氏は次のように話す。

「『ビオレ』ブランドは、保湿や洗浄商品だけではなく、肌ストレスの原因となる摩擦、紫外線、不快な暑さ、目に見えない微粒子汚れから肌を守るというヘルスケア発想で商品を取り揃えてきた。また、健やかな肌は、人と人との距離を近づけ、コミュニケーションを活発にし、コミュニティを生みだす重要なインターフェースであると考えている。今回のプロジェクトでは、ブランドとユーザーとの新たな接点づくりを目指し進めてきた」(宿野部氏)

花王株式会社 H&BCスキンケア事業部 ビオレUVシニアマーケター 宿野部淳氏
プロフィール/大学卒業後、2007年花王に入社。販売部門を担う「花王カスタマーマーケティング」でドラッグストアチェーンの営業担当、ショッパーマーケティングに従事。その後、ヘアケア事業部に異動となり、ヘアスプレーブランドの「ケープ」やヘアケアブランドの「エッセンシャル」のマーケティング担当として4P全てに携わる。1年間のシンガポールでのマーケティングトレーニー経験を経て、2018年よりスキンケア事業部で、サンケアブランド「ビオレUV」を担当し現在に至る

宿野部氏は、日焼け止めマーケットにおけるユーザーコミュニケーションに課題があったとして「Biore VIRTUAL STUDIO」の開発背景について話す。たとえば、日焼け止めに最も求められることは「紫外線を防ぐ効果」だが、売り場では、SPF50+、PA++++といった紫外線を防ぐ効果を表す最高数値が記された関連商品で溢れている。その結果、ユーザーは、剤型や使用感、肌仕上がりの違いで選択しているのが実態だ。また、日焼けに対する正しい知識や商品情報が錯綜していることを象徴するように、インフルエンサーによる商品レビューや複数商品の性能比較コンテンツが強い反響を呼んでいる。

こうした状況に対して、ビオレUVブランドとしては、日焼け対策のTipsや日焼け止めのハウツーなどの情報発信を強化してきた。コロナ渦では、店頭のテスターが使いづらい状況にあるため、テクスチャーが比較できる「バーチャルテスター」の動画コンテンツを提案。さらにアウタースキンラボという特設サイトを設け、ユーザーの日焼けに対する疑問に応えたり、専門的な知見をまとめたスペシャルコンテンツを多数用意している。

ビオレUVの取り組み

「しかし、こうしたさまざまなコンテンツがありながら、我々のチームに入った新メンバーとディスカッションをした際に、生活者目線では『情報量が多く自分が欲しい内容のコンテンツをみつけるのが大変』『そもそも楽しくなければ見ない』など、率直な意見もあがってきた。そこでコンテンツのあり方、顧客とブランドの接点のあり方について、生活者目線で徹底的に考え直す必要性を感じた」(宿野部氏)

ここから先は

4,010字 / 3画像

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

BeautyTech.jpは最新1カ月の記事は無料、それ以前の記事は全文閲覧が有料です。「バックナンバー読み放題プラン」をご利用ください。

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

「バックナンバー読み放題プラン」の法人・企業様向けプランです。社内限定で転用・共有していただけます。