花王 Biore VIRTUAL STUDIO、 消費者目線で開発したUVケア関連ARコンテンツ
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花王株式会社はブラウザでアクセスできるデジタルプラットフォーム「Biore VIRTUAL STUDIO」で、ユーザーの「日焼けストレスからの解放」を通じた、快適な生活の実現を後押しするAR体験を提供している。開発に採用したのは、米カリフォルニアに本拠地を構えるARスタートアップ 8th WallのWebARプラットフォームだ。開発の経緯や今後の展望について、関係者に話を聞いた。
エンターテインメント性と課題解決の双方を満たし、新たな消費者接点へ
花王が「Biore VIRTUAL STUDIO」をリリースしたのは2022年1月。「新しいユーザーとの接点創出と、ブランドロイヤリティ向上のための1つのアプローチ」として、同プロジェクトを立ち上げた。花王でビオレUVを担当する花王株式会社 H&BC スキンケア事業部 ビオレUV シニアマーケター 宿野部淳氏は次のように話す。
「『ビオレ』ブランドは、保湿や洗浄商品だけではなく、肌ストレスの原因となる摩擦、紫外線、不快な暑さ、目に見えない微粒子汚れから肌を守るというヘルスケア発想で商品を取り揃えてきた。また、健やかな肌は、人と人との距離を近づけ、コミュニケーションを活発にし、コミュニティを生みだす重要なインターフェースであると考えている。今回のプロジェクトでは、ブランドとユーザーとの新たな接点づくりを目指し進めてきた」(宿野部氏)
宿野部氏は、日焼け止めマーケットにおけるユーザーコミュニケーションに課題があったとして「Biore VIRTUAL STUDIO」の開発背景について話す。たとえば、日焼け止めに最も求められることは「紫外線を防ぐ効果」だが、売り場では、SPF50+、PA++++といった紫外線を防ぐ効果を表す最高数値が記された関連商品で溢れている。その結果、ユーザーは、剤型や使用感、肌仕上がりの違いで選択しているのが実態だ。また、日焼けに対する正しい知識や商品情報が錯綜していることを象徴するように、インフルエンサーによる商品レビューや複数商品の性能比較コンテンツが強い反響を呼んでいる。
こうした状況に対して、ビオレUVブランドとしては、日焼け対策のTipsや日焼け止めのハウツーなどの情報発信を強化してきた。コロナ渦では、店頭のテスターが使いづらい状況にあるため、テクスチャーが比較できる「バーチャルテスター」の動画コンテンツを提案。さらにアウタースキンラボという特設サイトを設け、ユーザーの日焼けに対する疑問に応えたり、専門的な知見をまとめたスペシャルコンテンツを多数用意している。
「しかし、こうしたさまざまなコンテンツがありながら、我々のチームに入った新メンバーとディスカッションをした際に、生活者目線では『情報量が多く自分が欲しい内容のコンテンツをみつけるのが大変』『そもそも楽しくなければ見ない』など、率直な意見もあがってきた。そこでコンテンツのあり方、顧客とブランドの接点のあり方について、生活者目線で徹底的に考え直す必要性を感じた」(宿野部氏)
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