見出し画像

AquaAge、美容サロンやブランド向けに生成AI活用の肌解析SaaS「HADABON Pro」をリリース、特許取得技術の全容

◆ 新着記事をお届けします。以下のリンクからご登録ください。
Facebookページメルマガ(隔週火曜日配信)
LINE:https://line.me/R/ti/p/%40sqf5598o

生成AIを活用した肌解析アプリ「HADABON」を運営するAquaAge株式会社は、2024年1月に法人向けソリューション「HADABON Pro」をローンチ。特許を取得した画像解析技術と化粧品効果測定技術、肌状態と化粧品成分の最適なマッチングをかなえる学習プロセスとアルゴリズムによって市場シェア獲得を目指す。同社代表取締役社長 包娜仁(ホウ・ナニン)氏に同社の特許技術などサービスの強みを聞いた。


自動運転分野で培った画像解析技術を応用し起業

AquaAge株式会社は、2019年に設立された名古屋大学発のディープテックベンチャーだ。代表取締役社長を務める包氏は、中国・天津大学のソフトウェア工学科を卒業後、名古屋大学と東京大学で研究に従事し、博士号を取得した経歴を持つ。在学中は自動運転などに活用されるコンピュータービジョンの研究に取り組んでいたが「ビューティ分野に技術を応用することで、自分自身を含む多くのユーザーの悩みを解決できると思い起業を決めた」と設立の経緯を説明する。

AquaAge株式会社 代表取締役社長 包娜仁(ホウ・ナニン)氏
プロフィール/中国・内モンゴル出身。名古屋大学でデータ駆動型技術に関する研究で博士号を取得。同大学では、主観的運転リスクモデリングとデータ駆動型制御を研究し、自動運転技術の発展に貢献。東京大学ではコンピュータビジョンに関する研究に従事しており、同時にAquaAge 株式会社の代表取締役社長としても活動中

「私はスキンケアを丁寧にするタイプで、肌を日々観察し、その状態を正しく把握したいという気持ちがある。だが、これまでは、たとえばダイエットをしている人が毎日体重計にのるような簡単さで、肌状態を測定できるソリューションはなかった。きっと私と同じように、スキンケアをしながら自分のケアがあっているのか、肌に良い影響を与えているのかがわからず、モヤモヤを抱えている人は多いはずだと感じていた。そこで画像解析技術を活用して、スキンケアプロセスを効率的・定量的に把握することで課題を解決しようと考えた」(包氏)

包氏は2016年に名古屋大学の「実世界データ循環学 リーダー人材養成プログラム」に応募し研究資金を獲得。実験に協力してくれるユーザーや開発メンバーを募って、肌状態測定・解析技術の研究を開始した。現在、スマートフォンやタブレット、パソコン上で利用できるAIを活用した肌解析サービスが数多く登場しているが、2016年時点では、類似サービスはほぼ存在しなかったといい、同じ分野で先行する研究もなかったため、自身の課題感と研究テーマに向き合う日々だったと包氏は振り返る。

「当時のスマートフォンには高解像度カメラが搭載されておらず、AIの深層学習も一般的ではなかった。加えて、クラウドも普及していなかったため、パソコンやスマホ上で計算しなくてはならず、リアルタイム処理も難しかった。研究を始めた当初は技術的な可能性を検証したいというモチベーションの方が強かったと思う。それでも2019年頃になると環境が整いはじめ、研究成果も徐々に形になりはじめたことから起業に踏み切った。名古屋大学の同僚や研究チームが相次いで起業していたことも、ビジネスの世界に飛び込むきっかけとなった」と包氏は経緯を説明。そこから、技術と製品に磨きをかけ、今回の法人向けサービスであるHADABON Proリリースに至ったという。

生成AIで解析のスピードや精度を向上

AquaAgeは2022年6月にコンシューマー向け肌解析アプリHADABONをリリース。2023年12月には、名古屋大学医学部や、マリポサビューティークリニックと共同開発した法人向けサービスとして、HADABON Proの提供を試験的に開始している。いずれもスマートフォンやタブレットで顔を撮影するだけで簡単に肌解析が行える。

ここから先は

2,854字 / 3画像

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

BeautyTech.jpは最新1カ月の記事は無料、それ以前の記事は全文閲覧が有料です。「バックナンバー読み放題プラン」をご利用ください。

このマガジンを購読すると、バックナンバー記事を制限なくご覧いただくことができます。

「バックナンバー読み放題プラン」の法人・企業様向けプランです。社内限定で転用・共有していただけます。