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化粧品のサイエンス、メタバースは新段階へ。2023年注目の4つのキーワード

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2023年、グローバルでのビューティ業界はどのような方向性に向かうのか。BeautyTech.jpでは、今後注目すべきトレンド4つをピックアップ。「科学的根拠のある美容」「マルチチャネルエンゲージメント」「メタバース」そして「透明性」の観点から業界の進化のあり方を占う。

その1:科学的根拠を提示するプルーフベースドビューティ

ここ数年にわたり美容業界を席巻してきたクリーンビューティだが、大手化粧品メーカーが買収や投資によりクリーンビューティブランドを傘下におさめる動きが加速し、一方でクリーンビューティ専門小売が統合するなど、グローバルでは急速な再編が進んでいる。こうした流れを受け、クリーンビューティの次の段階として注目されるのが、科学的根拠にもとづいた効果・効能を提示する製品やサービスである「プルーフベースドビューティ(proof-based beauty)」だ。

有害が疑われる成分を使用しない安全性や、環境負荷が少ない天然原料を採用するなど、「クリーン」であることはもはや当然の前提で、そのうえで各自の悩みや課題を解決に導く機能性を備えている製品を求める、消費者の声の高まりがその背景にある。ここには、昨今注目が集まる、クリーンな成分や処方に加えて、製品パフォーマンスに臨床的(クリニカル)な論拠があることを示す「クリーニカルビューティ」をうたう製品群も含まれる。いずれにしろ、ナチュラルやピュアであることを良しとして重点をおいてきたユーザーが、改めて“科学の力”に目を向け始めたともいえる。

あわせて、ウエルネスや医療の領域と美容の境目が融合している現在、大手化粧品メーカーはもとより、多くの独立系ブランドもR&D分野に注力しており、医療機関や大学などと連携した新素材や技術開発研究も活発で、市場でのプルーフベースドビューティの存在感が増していくと考えられる。

2000年に立ち上げられ、クリーン&サステナブルをうたうスキンケアブランドのはしりとして知られた「REN Clean Skincare」の共同創業者ロブ・カルクラフト(Rob Calcraft)氏は、2015年に同ブランドをユニリーバに売却。似たようなブランドばかりになってしまった化粧品業界に興味を失い、戻ることはないだろうと考えていたが、2021年、「Cultured Biomecare」ブランドをローンチし、スキンケアの世界に再び参入した。同ブランドの製品は、皮膚に生息する数十億ものバクテリア、菌類、微生物の生態系である皮膚マイクロバイオームのケアに役立つよう設計されているという。

「ブランドの立ち上げにあたり、私たちは科学に向かって走りだした」とカルクラフト氏は話し、「マイクロバイオームの世界全体が、科学にもとづいており、私たちは遺伝子配列の解読により、それを理解できるのだ」として、科学的な分析に裏打ちされたコンセプトであると説明している。

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