花王のオープンイノベーションで、技術と消費者ニーズは一貫して融合する
◆ English version: More Than Skin Deep: Kao develops cutting-edge beauty technology through open innovation
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2018年11月27日、花王株式会社は技術イノベーション説明会を開催。発表された革新的な5つのイノベーション技術のうち「ファインファイバー」に関するリツイートは1億を超え、多くの人の関心を集めた。製品化前に本質的な技術を公に発表するのは、花王では初の試みだ。
花王は、1887年の創業以来、持続的な利益ある成長と社会のサステナビリティへの貢献をめざし、「よきモノづくり」を追求している。直近では、2018年度まで6期連続営業最高益、29期連続での増配を達成しているが、さらにグローバルでの存在感を見据え、2017年からは、「自ら変わり、そして変化を先導する企業へ」というスローガンを掲げ、4カ年の中期経営計画「K20」に取り組む。
そして研究資産の活用に関して大きく方針転換を行なうとし、社会課題解決に向けた取組みをさらに強化するために、オープンイノベーションへと舵を切った。
美容企業のオープンイノベーション事例
美容業界のオープンイノベーションは、P&Gが先陣を切っている。そもそも美容に限らず、多くの企業は他社との競合優位性を持つために、自社内での研究や技術開発を行ってきた。しかし、IT技術が発達したいま、技術開発を自社のみで行うのは、競争環境の変化に対応しにくいことや、多大な時間と労力、コストがかかる問題に加え、すでに確立した事業を持つ大企業は動きが鈍くなりがちで、新たなイノベーション創出の難しさに直面する。
そこで、2003年にヘンリー・チェスブロウが提唱した、イノベーションを社外の組織を活用して行う「オープンイノベーション」を採用する企業が次々と現れた。
P&Gはそれに先立つ2000年に、イノベーションの半分を社外調達するという目標を掲げる事業「コネクト・アンド・デベロップメント」をいち早く立ち上げた。技術開発を外部に公募し、自社の革新的な製品開発に活かすことを目的とするこの取組みにより、商業的な成功率が15〜20%だったものが50〜60%になるなど、R&D効率が劇的に改善した。
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