メンズコスメの取扱い10年、銀座ロフトの直近トレンドにみる男性顧客のインサイト
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グローバルで拡大を続ける男性用コスメ市場。富士経済によると2020年には国内のメンズコスメ市場は年間約1,200億円規模に成長するという。現在の市場の拡大を牽引するブランドやアイテムについて、10年以上前から売り場を設け、現在はバラエティコスメからラグジュアリーまで約75ブランド(ヘアケアアイテムも含む)を揃える銀座ロフトのメンズコスメ担当バイヤー、株式会社ロフト商品部・健康雑貨部の廣末将太氏に聞いた直近のトレンドを一問一答形式で紹介する。
株式会社ロフト
商品部 健康雑貨部
バイヤー 廣末翔太氏
男性がコスメ売場で手に取るもの
Q)近年売れ行きの良いアイテムカテゴリーは?
A)客層として30代以上でビジネスパーソンが多い銀座ロフトだが、これまでは例えばBBクリームやコンシーラーなど、マイナスをカバーしてゼロにするようなアイテムが売れていた。今はさらにゼロをプラスにするような付加価値の高い「お悩み解決アイテム」が人気だと感じる。例えば、理想の目の形に近づける男性用の二重まぶたのり、増毛アイテムなどだ。
また、新型コロナウイルス感染症の緊急事態宣言の解除以降は、通勤の再開や季節的に半ズボンによる脚の露出の増加もあり、除毛アイテムも人気だ。自宅にいる時間が増えたこともあるだろうが、「エステに行くほどではないが、自分でできる手入れは試してみたい」という意識の高まりを感じる。スキンケアアイテムも好調で、逆にこれまで一定の需要があったニキビケア商品の売れ行きは落ちてきている。日常的にスキンケアをする層が増え、ニキビができる人が減ってきているのではないか。
「ルドゥーブル オム」の
二重まぶたのり(左)と
「アセトメル」の
制汗フェイスクリーム(右)
ソーシャルや動画、テレビCMが市場を後押し
Q)取り扱うブランドを選定する基準や現在のキープレーヤーは?
A)銀座ロフトでは、ブランドの新旧を問わず、消費者に向けて何らかの提案ができる製品であるかどうかを基準にバイイングをしている。「BULK HOMME(バルクオム)」の登場はメンズコスメ市場全体に大きな好影響を与えた。特に人気タレントを起用したテレビCMが、緊急事態宣言の発令期間中に関東エリアで放送され、これまでスキンケアを日常に取り入れていなかった、あるいは丁寧にしていなかった層にもその重要性を認識させたと思われる。このタイミングで、同ブランドに限らず、洗顔料などのスキンケアアイテムの売上は伸び、高単価アイテムも売れやすくなったと感じる。
店内ディスプレイでもCM動画を流す
人気ヘアサロンのブランドは変わらず人気
人気ヘアサロンLIPPS(リップス)が監修する「LIPPS BOY(リップスボーイ)」は、ベースメイクアップを含め若い世代の支持を得ている。肌補正アイテムとしては30代向けにはBBクリームが主流であるなか、ほかのブランドにはみられないフェイスパウダーが10代後半から20代前半にかけての若い世代の間で動いており、同ブランド内で2番目の人気商品だという。
フェイスパウダーもラインナップする
LIPPS BOY
また、ヘアサロンOCEANTOKYO(オーシャントーキョー)が監修する「OCEAN TRICO(オーシャントリコ) 」も根強い人気だ。ラインナップの軸となるのが、シャンプー、コンディショナーにヘアワックスといったヘアケアアイテム。加えて1万2,800円のヘアアイロンが月に500本ほど売れている。Z世代の憧れの存在である同店は、個性的なスタイリストを多く抱え、YouTubeなどSNS上でのコミュニケーションを通してファンを獲得することにも長けている。
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