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メタジェンが提唱する「腸内環境にもとづくパーソナライズ」が美容ソリューションとなる可能性

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腸活といえば「○○菌などの善玉菌を取り入れる」というアプローチが主であったが、近年の研究で、腸内環境は100人いれば100通りであり、一人ひとりの腸内環境にあわせてパーソナライズされたアプローチをとることがより効果的であることがわかってきた。独自の腸内環境評価手法「メタボロゲノミクス®」で得られた知見を活用し、その人の求める方向に腸内環境を制御する「腸内デザイン®」の実現に向けた取り組みと、腸内環境と肌との関係性について、株式会社メタジェン 代表取締役社長CEO  福田真嗣氏に話を聞いた。


腸内環境は一人ひとり異なる。メタジェンがカルビーと提携して商品化する意味

株式会社メタジェンは、慶應義塾大学と東京工業大学とのジョイントベンチャーとして2015年に誕生。一人ひとり異なる腸内環境をそれぞれの理想の状態に近づけることで求める健康状態をかなえるために、グループ企業や協力会社とともに病気の予防からウエルネス、美容まで幅広くアプローチし、研究成果の社会実装を進める企業だ。

2015年の創業時から一貫して腸内環境に注目し、科学的根拠にもとづいて一人ひとりの腸内環境をタイプ分けし、そのタイプに応じたアプローチを行う「層別化ヘルスケア」や、その先にある、求める方向に腸内環境を制御し、腸内環境から健康をコントロールする「腸内デザイン®」の社会実装を見据えた研究開発・事業開発を推進してきた。そして2023年4月、腸内環境にもとづく層別化プロダクトの第一弾として、カルビー株式会社と株式会社サイキンソーと連携し、個人の腸内フローラを検査し、腸内環境にあったグラノーラを届けるサブスクサービス「Body Granola(ボディグラノーラ)」の販売を開始した。

Body Granolaの背景には「人によって腸内環境が違う」という前提がある。それを理解するために、腸内でどんなことが起こっているのかを福田氏の説明をもとに紹介していきたい。

ヒトの腸内には、多様な細菌が生息しており、その種類は約1,000種類、一人あたり約40兆個の細菌がいると見積もられている。どのような菌がどのくらい存在するかはヒトの遺伝子的な要因よりも長期的な食習慣や生活習慣に大きく影響されるため、腸内環境は親子や一卵性双生児でも異なるという。ヒトの腸管内は地球上で最も高密度に菌が生息している場所の一つであり、それら腸内細菌の群集を腸内細菌叢(腸内フローラ)と呼ぶ。

「腸内環境」というと体の内部を想像するが、口から肛門は一つの管でつながっており、外から取り込んだものと接する器官であるため、腸管内は「体の外」であるといえる。また、腸内細菌は、腸壁に張り付いているのではなく、排便のたびに便の一部として排出されているが、排出される量よりも速く腸内で増殖し続けることで、腸内に腸内細菌が常にいる状態を保っている。腸内細菌は、ヒトが摂取した食べ物の未消化物をエサとし、腸管内で激しい生存競争を繰り広げているという。

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