日本は出遅れ気味か。成長著しいハラルコスメ市場の勝機はどこに?
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2030年には、キリスト教徒を抜いて世界第一位の宗教人口となるといわれるムスリム(イスラム教徒)。その巨大な市場には世界から熱い視線が注がれている。信頼性の高いハラル認証機関をもつマレーシアをムスリム向け市場の足掛かりとするグローバル企業は多い。化粧品のハラル認証の実態と、リアルな消費者の姿を探る。
イスラム教徒は世界で約16億人といわれ、その6割は人口の多いインドネシアや、1人あたりのGDPが高いマレーシアなどのアジア圏の国が占める。Grand View Researchの調査によれば、グローバルでのハラルコスメの売上高は163億米ドル(約1兆7,700億円)、2025年には520億米ドル(約5兆6,700億円)にまで伸び、年平均成長率12.5%と見込まれるほど、世界の期待は高い。
マレーシアは、ムスリムに優しい旅行先(Halal friendly destination)として中東からの観光客も多く、ハラルコスメ市場にも力を入れている国のひとつだ。マレーシア政府ハラル認証機関(JAKIM)が発行するハラル認証マークの信頼度は国外でも高い。政府発表によると2015年第3四半期におけるマレーシアのハラル認定化粧品およびパーソナルケア品の輸出額は17億リンギット(約7,400億円)に達したと発表された。
マレーシア政府が発行するハラル認証マーク
マレーシア政府のお墨付きでグローバルへ
現在、マレーシア国内外におけるJAKIMのハラル認証企業は100社を越えている。化粧品関連でいうと、ジョンソン&ジョンソン、Southern Lion (ライオン株式会社現地法人)、SHISEIDO (ベトナム工場製品)をはじめ、韓国ブランドのTalent cosmeticsなどだ。
マレーシアブランドの大手であるSimplySitiは韓国にある認可を受けた工場で生産をしている。マレーシア政府は今後さらにマレーシア製品の輸出拡大をもくろみ、2017年、マレーシア貿易振興庁(MATRADE)はアセアン・コリアセンター(ASEAN-KOREA CENTRE)とパートナーシップ提携を結び、製造工程やマーケティング戦略など豊富なノウハウの共有を図り競争力の強化を支援している。
残念ながら、 ここでは日本はやや蚊帳の外である。どちらかというと大手化粧品会社がブランドを売り込みたい日本に対して、規模の大小問わずOEM含めあらゆる側面から進出したい韓国や東南アジア諸国との意気込みの差が表れているといってもいいだろう。
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