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【NRF APAC 2024①】イオン、ユニクロ、ドミノ・ピザ、グローバル小売大手が語る顧客第一主義の本質

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シンガポールで開催されたアジア初のNRF主催のビジネスショー「NRF 2024: Retail’s Big Show Asia Pacific」では、グローバル小売大手から、小売業界のさまざまなステージでのソリューションを提供するIT企業やスタートアップが集結、業界の今とこれからが提示された。現地を取材し、登壇セッションで語られたビジネスのヒントや展示ブースで紹介されたイノベーションの数々を3回にわたってレポートする。1回目は、顧客ファーストを掲げてDXやデジタルマーケティングを推進する企業による講演セミナーを取り上げる。


米国以外での初開催となったグローバルイベントNRF APAC

全米小売業協会(NRF)が主催する小売業界最大級のグローバルカンファレンス「NRF Retail’s Big Show」のスピンオフとして、初のアジア開催となった「NRF 2024: Retail’s Big Show Asia Pacific(以下、NRF APAC)」が、2024年6月11日〜13日シンガポールで開かれた。参加登録者数は52カ国からの7,000人超を数え、238社が出展、40以上の講演セミナーやトークセッションが行われた。

オープニングの挨拶に登場したNRF リテールインサイト&コンテンツクリエーション部門 シニアアドバイザーのマルティーヌ・リアドン(Martine Reardon)氏は、このイベントが「デジタル×テクノロジー×マーケティングの現在地を指し示すもの」であり、小売業界の企業が新しいアイディアと学びに触れ、活発な商談や交流を育むと同時に、伸び盛りの市場としてのアジア太平洋地域(APAC)への理解と可能性を促進すると強調した。

ドミノ・ピザ:利便性向上はもちろん、顧客の心に響くイノベーションを追求

初日の基調講演(キーノート)の一番手に登場したのは世界最大のデリバリービザチェーン米ドミノ・ピザ(Domino’s Pizza)だ。登壇したCDOのクリストファー・トマス-モア(Christopher Thomas-Moore)氏は、同社がいかにして継続的なデジタル・イノベーションを次々と起こしてきたかを示し、なかでも大きなゲームチェンジャーとなったのは、2008年のピザの調理から配達までの過程をトラックダウンするデジタルプラットフォームの導入だったと振り返る。

「それまでは、顧客は電話でピザを注文したらあとはひたすら待つだけだった。ピザは今どこにあるのか?いつ届くのか?まるでわからない。デジタルプラットフォームにより我々はこのブラックボックスをオープンにしたのだ。ピザがどこで作られて、どのように運ばれているかをみえるようにし、そしてピザの到着時間を顧客に伝えることができるようになった。これは、顧客の思いに寄り添うサービスの実現でもあった」(トマス-モア氏)

ドミノ・ピザ  CDO クリストファー・トマス-モア氏
画像提供:NRF APAC

以来、ドミノ・ピザは、AIを使った販売促進キャンペーンから、消費者インサイトの取得、あるいは、ピザのレシピの改良や、出来立てのピザの味を保ち型崩れも防ぐ特別仕様の配送用バンの荷台デザインまで、さまざまな場面でデジタルを活用することで変革を続けてきた。

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