サムスン電子が次世代の美容&ヘルスケア事業を開拓、スタートアップの育成、連携も
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韓国を代表する財閥企業・サムスン電子は、強烈なカリスマリーダーとして知られたイ・ゴンヒ会長後の成長戦略がうまく描けず、競争激化のスマートフォンや半導体の低迷で業績不振に苦しむ。次のビジネスを模索するなかで、美容・ヘルスケア事業への開拓も進めている。サムスンの社内ベンチャープログラムからは、ITとビューティをテーマに据えた有力な新興企業も登場してきている。
出典 Revieve HP
韓国大手メーカー・サムスン電子と化粧品大手・アモーレパシフィックがコラボレーションしたのは、2018年3月のこと。両社は当時、ギャラクシーS9、S9+という新製品のリリースに際してメイクシミュレーションができるARサービスを搭載。韓国国内で「雪花秀」「ラネージュ」「IOPE(アイオペ)」など9つ、また米国と中国では「ラネージュ」と「イニスフリー」などのブランドを、ユーザーがスマートフォン上で体験できるようサービスを提供した。サムスンが開発したAIの「Bixby Vision」という機能を使うと、ARメイク機能が使える仕組みだ。
そのサムスン電子が2019年5月に、日本でも発売が予定されている新製品「Galaxy S10」に、「肌診断サービス」を搭載するとして韓国国内で話題となっている。同サービスは、サムスン電子とフィンランドのビューティーテック企業「Revieve(リビエブ)」の協業によって実現する。サムスンの画像AIアシスタント機能 Bixby Visionと、RevieveのAIビューティーアドバイス機能の組み合わせによって、ユーザーはスマートフォンから手軽に肌の健康状態を確認できるようになる。
Revieveは2016年創立のベンチャー企業で、その専門分野は「ビューティテック」「人工知能」「AR」「肌診断」「パーソナライゼーション」「製品レコメンド」と紹介されている。2017年には約7,000万円の資金を調達済み。現在、すでにスキンケアやメイクアップをアドバイスするAIツールおよびソリューションを製品化している。
今後は、Galaxy S10のカメラに顔を認識させると、連動したRevieveの技術で肌診断サービスを受けることができる。また皮膚の状態によって、最も適切な化粧品が推薦される予定だ。Galaxy S10の肌診断サービスは米国・韓国でまずリリースされ、その後、化粧品小売メーカーが製品を順次アップデートできるようになるなど、販売経路拡大、マーケティング用途での利用が見込まれている。
サムスン電子は、「S9」「S9+」など以前のバージョンから、画像認識機能やARを使ったエンターテイメント機能を強化してきた。例えば、「ショッピング」「グルメ」「ワイン」「場所」「メイクアップ」などのカテゴリーのうち1つを選択し、カメラで対象物を撮影すると、名称などの情報がリアルタイムでスマートフォンに表示されるという具合だ。また、テキストモードでは、外国語で書かれたメニューを撮影すると、翻訳されたり、料理の画像がみられる機能もある。
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