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ポストコロナの市場変化が迫る業界再編。韓国有力ブランドM&A最新事情

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2023年下半期にhinceCOSRXなど、韓国人気ブランドが大手企業の傘下入りとなったニュースが報じられたが、2024年に入っても韓国有力ブランドのM&Aや売却先を探すブランドの動きが相次いでいる。


COSRX買収で不振脱出の糸口を模索するアモーレパシフィック

韓国化粧品メーカー大手のLG生活健康は、2023年9月、hinceを運営するVIVAWAVEの買収を正式に発表した。hinceは創造的なコンセプトで韓国と日本で高い人気を誇るメイクアップブランドであり、この買収は業界内外のメディアで高い驚きを持って報じられた。

その後も韓国では、人気ブランドのM&Aに関する報道が続いている。なかでも強いインパクトを残したのがアモーレパシフィックによる、スキンケアブランドCOSRXの買収だった。

出典:COSRX公式サイト

アモーレパシフィックは2021年にすでに1,800億ウォン(約198億円)を投じてCOSRX(社名同名)の株式38.4%を取得し、大株主となっていた。今回はチョン・サンフン代表ら2名(もう1名はチョン代表の家族と推定)が保有する株式56.7%を7,551億ウォン(約826億円)で取得。アモーレパシフィックの設立以来、最高額を投じて子会社化したことを発表している。

アモーレパシフィックがCOSRXを買収した背景には、自社の経営に対する危機感や中国依存度を下げる狙いがあると複数の韓国国内メディアが分析している。

アモーレパシフィックは2016年以降、さまざまな要因から経営不振が続いてきた。まず、アジアにおける同社の売上の約50%を占めていた中国では、THAAD問題に端を発する貿易摩擦や中国国内新興ブランド台頭により苦戦を強いられており、その実績は2023年になっても回復せず、第3四半期の決算では海外売上のうちアジアの売上が前年同期比13%減少したと発表されている。また重要な流通経路のひとつであった免税店での売上も、コロナ禍をきっかけに低迷。こちらも復調する兆しがいまだみえていない。

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