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月間10億人が利用のWeChat、欧米美容企業がOMO実現に向けて熱視線

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中国に住む人々にとって、生活インフラとして欠かせないのがメッセンジャーアプリ・WeChat(微信)だ。日本ではLINE、欧米ではWhatsApp、フェイスブックメッセンジャーなどがシェアを握っているが、中国ではWeChatの月間利用者数が約10億人と圧倒的に有利な状況にある。中国で唯一無二の力を誇るメッセンジャーアプリの強みを活かし各社それぞれのマーケティング、販促活動に利用されており、その先にはOMO実現も視野に入る。化粧品を中心に最近のWeChat活用事例を見ていく。

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出典:Feelunique

10億人が使うWeChatに熱い視線を注ぐ欧米企業

月間10億人が利用するWeChatは、個人ユーザー同士のコミュニケーションツールとしてだけではなく、消費者と企業を結ぶマーケティングツールとしても広く活用されている。そんな有力メッセンジャーアプリに対し、欧米美容関連各社も熱い視線を注ぐ。中国市場攻略にWeChatを最大限利用しようという動きを見せているのだ。直近の2018年6月には、FeeluniqueWeChat上に用意した販売プラットフォームをミニプログラムを使うことにより強化すると宣言。販路を拡大していく旨を発表した。

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Feelunique のミニプログラム 
Photo by WeChat

2005年に設立されたFeeluniqueは、英国など欧州を中心にビューティー関連商品のEコマース事業を展開する企業だ。欧州最大のオンライン・ビューティーショップとも呼ばれており、500以上のブランド、3万点以上の商品を抱えている。一定金額以上の購入で120カ国もの海外含め配送無料になるというサービスが好評だ。日本からも、日本未上陸の英国コスメを購入できる。

その他にも、ロレアル、エスティローダーなど大手美容品メーカーをはじめ、数多くの美容関連企業がWeChatを使ったマーケティング活動を展開している。2014年の段階ではWeChat上に公式アカウント(詳細は後述)を開設したブランドのうち、71%が美容関連であり、その割合はその後も増えているとの分析がある。

美容関連各社は、WeChatにどのような期待を寄せているのだろうか。まず間違いないのは、「共感を呼び起こす力」「水平方向のコミュニケーション」といった、メッセンジャーアプリならではの強みだろう。日本におけるLINEとその構造自体はよく似ている。ある日本の広告業界団体の幹部は、過去にLINEをマーケティングツールとして使った際の成功体験について次のように言及した。

「メッセンジャーアプリは、生活と密着したコミュニケーションツールだ。検索や公式HP、ECサイトよりも使われる頻度が高く、企業が広告を提示した際、消費者の目に入る確率が格段に高い。つまりリーチするという意味においては、他のウェブサービスとは比較にならないほどの潜在力を持っている。また従来の広告は、企業から消費者にほぼ一方的に与えられるものであり、消費者はその限られた情報のなかで商品の価値を判断するしかなかったが、メッセンジャーアプリはその広告の在り方を根本から変えてしまった。メッセンジャーアプリには、家族や友達、恋人や仕事仲間など、無数のコミュニケーションの繋がりがある。企業はそこに“参加させてもらう”という立場。つまり、企業と消費者の関係もおのずと縦から横に対等となる。消費者からすれば、自分たちのコミュニケーションの輪に企業が入ってくることになるので親近感を得やすい」。

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