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e-コスメティック360にみる循環型経済、非接触、成分評価のテクノロジートレンド

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2020年はオンラインでのイベント開催となった「コスメティック360」で行われた、ウェビナーやアワード、製品発表から、世界的な業界のトレンドである、3つのテクノロジートレンドを読み解くとともに、主催者である仏コスメティックバレーの意義と目指すものを考える。

オンラインならではの仕組みで開催されたe-コスメティック360

毎年10月中旬にパリで開催される化粧品の国際見本市「コスメティック360」は、国から競争力拠点(競争力産業クラスター)に指定されるコスメティックバレーが主催し、原料、生産、パッケージ、製品、サービスなどさまざまな分野の企業が一堂に集まり、イノベーションを発表する機会だ。毎年60カ国から5,000人以上のビューティ業界関係者が会場を訪れるが、第6回目となる2020年は、新型コロナウイルスの影響で100%デジタルのオンライン開催となった。

バーチャル展示会となった「e-コスメティック360」では、出展企業は12カ国から103企業(55%が外国企業)と、昨年の半分以下となったものの、10月12日〜13日の開催期間中、67カ国から視聴参加があり、プラットフォーム上では2万1,800回のアクセスやコンタクトがあったという。

デジタル開催ならではの工夫としては、プラットフォームとなる公式サイトを展示会の半月前にオープンし、来場者(視聴参加者)と出展者間で事前の商談リクエストやチャットを可能にしたり、AIのアルゴリズムによる関連コンタクト先の推奨ツールでマッチングの仕組みを用意したほか、出展企業による約40のウェビナーでは、ライブ配信中にインタラクティブな情報交換を可能にした。また、イベント終了後に出展企業の製品・サービス内容の閲覧や、動画のリプレイができるのもメリットだ。

今回はe-コスメティック360が分析する3つのトレンド:グリーンビューティ、非接触バーチャルメイク、よりパフォーマンスの高い生物学的試験について紹介する。この3つの要素は、パンデミックを経て、必要性が増している傾向にあり、この分野におけるイノベーションを発表した企業が、同イベントのアワード「e-Cosmetic Awards」を受賞する結果となった。

トレンド1:環境に配慮する“グリーンビューティ”

消費者の環境保全への意識の高まりから、企業にとっては限られた地球資源を守りながらの商品開発が不可欠となっている。環境ダメージを抑えるため、リサイクル可能なパッケージの開発、廃棄物ゼロの試みが進んでいるほか、生産過程での水の使用量を削減するため、固形状、ジェル状の製品の提案も増えている。また、成長に多くの水を必要としない植物の活用もソリューションのひとつとされている。さらに、地場の原材料を使って、運送に伴う二酸化炭素の排出量を抑えたり、農作物の廃棄物をアップサイクリングするなど、循環型経済を促進するイノベーションも次々と登場している。

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