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ホーユー、100年培ったR&Dでヘアカラー後の髪色ケア特化パーソナライズD2C「irop(イロップ)」をリリース

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2024年4月3日、パーソナル診断を用いたD2Cヘアカラーケアブランド「irop(イロップ)」の販売が開始した。同サービスを運営する株式会社イロップは、ヘアカラー開発で100年以上の歴史をもつホーユーが博報堂とともに立ち上げたJV(ジョイントベンチャー)である。ヘアカラー後の髪色ケアに特化したサブスクリプションサービスを始めた経緯について株式会社イロップ 代表取締役 高橋洋介氏と同社 マーケティング担当 加藤槙子氏に話を聞いた。


ホーユーの技術を生かし、ハイトーンな髪色を長持ちさせる「irop(イロップ)」

「irop」(以下ブランド名をirop、社名をイロップと表記)は、サロンで染めた後の髪色を長持ちさせるためのシャンプーやトリートメントに特化した “ヘアカラーケア”ブランドだ。

ヘアカラーをした日は理想の仕上がりでも、「数日で髪色が落ちてしまう」「どんなケアをすればいいのかわからない」といった悩みを抱えている人は少なくない。色持ちをよくし褪色の過程を整えるカラーシャンプーなども市場に増えてきてはいるが、泡立ちにくい、あるいは髪の毛のきしみといったネガティブなイメージを持っている場合も多いという。

iropはこうしたピンクやパープルなどハイトーンな色を楽しむ人たちの「カラー後」の悩みを解決する目的で誕生した。100年以上にわたってヘアカラーの研究・開発を続け、現在は技術開発スタッフが全社員の12%を占めるホーユーの技術を用いて開発されているが、サロンやドラッグストアといったホーユーの販売チャネルは使用せず、定期購入を前提としたサブスクリプションモデルのD2Cで展開する。

iropのカラーケア商品

独自開発の「髪色ケア診断」で、今の髪色や、なりたい髪質などに関する設問に答えると、「イロップ タスシリーズ(シャンプー/トリートメント)」と「イロップ マモルシリーズ(シャンプー/トリートメント/セラム)から、一人ひとりの髪色に合った最適なカラーケア商品が届く。

髪色ケアタイプ診断の一例

タスシリーズとマモルシリーズは、1週間のうち1日目はタスシリーズ、2日目はマモルシリーズ、といったように使い分けることで、めざす髪色がキープできる。どのような使い分けをするかは、髪色ケア診断により約30パターンのなかから専用の使用スケジュールが提案されるため、ユーザーはそれに従うだけで髪色を長持ちさせることが可能だ。

タスシリーズは、その名の通り、「抜けた色を足す」機能を持つ。色のバリエーションとしては、パープル、ラベンダー、ピンク、アッシュ、ブラウンの5種類で、ブリーチしたハイトーンな髪色はもちろん、ブリーチしていない髪にも使える。また、従来カラーシャンプーを使うイメージがないブラウンにも対応しており、実際、iropの購入者の半数以上がブラウンを使用している。購入者からは「カラーシャンプーなのに泡立ちが良くて、指通りも良い」と好評だという。

他方、マモルシリーズは、褪色防止とダメージケアの機能を持っており、色落ちを防ぎ、ダメージから髪を守る働きをする。白髪染めや黒髪などまだ対応していない色もあるが、今後、顧客からのリクエスト次第で、ホーユーの研究開発チームと連携しながら、カラーバリエーションを増やしていくことも検討中だ。

カラーシャンプーを積極的に選んでもらうためにインフルエンサー起点でUGCを増やす

iropの入り口となる髪色ケア診断には、LINEの友だち登録が必要だ。「髪色ケア診断の結果はすべてデータで蓄積されており、ローンチから約1カ月で約2,500人の友だち登録があった。延べ5,000件の診断結果のデータが溜まっていて、今のところ購入者の年代は30代が最多。20代後半〜40代前半がボリュームゾーンとなっている」と話すのは、株式会社イロップ 代表取締役 高橋洋介氏だ。

株式会社イロップ 代表取締役 高橋洋介氏
プロフィール/1997年、株式会社コーセー入社。商品企画担当として、同社初の通販専用ブランド「米肌(マイハダ)」を立ち上げ、コーセープロビジョン株式会社の設立や事業部長を歴任。化粧品×WEBマーケティングを軸にベンチャー企業数社でブランド開発やEC責任者として従事。2019年に独立。タレント・インフルエンサーとのレベニューシェア型ビジネスモデルにてP2Cサイトを運営。2023年7月より株式会社イロップ設立ともに参画。同年9月 代表取締役に就任。

ホーユーの調査によると、カラーシャンプーを使用する人はヘアカラーユーザー全体の5%ほどしか存在しないニッチな市場である。しかもこの層は、カラーシャンプーの色選びを誤って思うような色に染まらなかったり、ブリーチによる髪のダメージをカラーシャンプーのせいだと誤認したりして、カラーシャンプーに対する負のイメージを持っており「色が落ちたらサロンで染め直す」という人が多いとされる。

そうした背景から、iropがデジタルマーケティングの起点とするのは、ハイトーンな髪色のインフルエンサーだと株式会社イロップ マーケティング担当 加藤槙子氏は話す。色に敏感なインフルエンサーたちに製品のよさをしっかり語ってもらいUGCを増やすのが目的だ。

「ギフティングによるモニター起用と、UGC活用ツールの採用により、質の高いクチコミをターゲットへピンポイントに届けていく。“深く狭いマーケティング”によって、しっかりと商品の良さを伝えていきたい」(加藤氏)

ヘアケアやヘアカラーのパーソナライズサービスにおいては、同じくD2Cブランドとして誕生した「MEDULLA(メデュラ)」やヘアカラーの「COLORIS(カラリス)」も、UGCを活用したデジタルマーケティング手法に重きをおいている。現在、iropがブランドの認知拡大のために利用しているのはInstagramだが、今後はTikTokやYouTubeの動画による啓発も検討していく。また、iropにとって、LINEも重要な顧客接点だ。高橋氏は、「テスト販売で得たユーザーの声をもとにコンテンツを用意し、顧客の気持ちに寄り添ったメッセージの発信に注力している」と説明する。デジタルマーケティング活用で認知度を高めるD2Cブランドは先行投資型になりがちだが、iropはホーユーの技術力と博報堂のデータ分析・利活用力を駆使して、3年で単年黒字化を目指すとしている。

iropがめざす”ホームプロケア”という新しい市場と付加価値

イロップがホーユーと博報堂という組合せで設立された背景として、加藤氏は、「コロナ禍でホームケアの概念に変化が見られた点を博報堂も強く認識していたこと」を挙げた。

株式会社イロップ マーケティング担当 加藤槙子氏
プロフィール/総合電機メーカーを経て2020年より博報堂グループSEEDATAに入社。主に消費財メーカーの商品開発やブランディング、新規事業開発などのプロジェクトを担当。2021年より博報堂ミライの事業室に参画し、クライアント企業との共同事業開発チームHakuhodo JV Studioの一員として株式会社イロップの立ち上げに携わる

かつては、品質よりも自宅で簡単に安く済ませられることに価値が置かれていたヘアカラーの「ホームケア」と、高額ながらサロンでスタイリストの高品質なケアを受けられる「プロフェッショナルケア」の境目が曖昧になってきており、これこそがイロップのいう“ホームプロケア市場”である。

ホーユーが博報堂とともに実施したリサーチにより、ホームケアのなかでもヘアカラー後の髪色メンテナンスの領域に商機が残されているとわかったことから、イロップの法人化が決まった。

現在、イロップのメンバーは、代表の高橋氏と、博報堂からの出向でマーケティングを担う加藤氏に加え、ホーユーからの出向メンバー1名の3名だけだ。あとは運営に10名ほど外部のメンバーが携わっており、少数精鋭のスタートアップ的な組織としている。高橋氏は、大手化粧品メーカーの子会社の事業責任者を務め、イロップと同様の座組でD2Cビジネスを立ち上げた経験を持つ。

高橋氏がその経験のなかで感じてきたのは、大手化粧品企業はサロンや小売店向けのB2Bとして長きにわたりビジネス経験があるが、顧客とダイレクトにつながるD2C分野ではまだこれから知見をためていくフェーズだということだ。大手企業内の一部門であるのと、スタートアップとして独立しているのとでは意思決定のスピードに差が出てくることは明らかで「その意味でホーユー内でD2C部門を立ち上げるのではなく、独立した新会社としてイロップをスタートさせたのは英断だった」と高橋氏は振り返る。

そうした設立の背景からも、イロップの最大の使命は、独立した新会社として、デジタルマーケティングを駆使してZ世代との顧客接点を広げていくことにある。Z世代との直接のつながりは、ホーユーがこれまで十分にアプローチできていなかった部分だ。

それゆえ、スタート時はホーユーが持つ既存の販売チャネルには依存せずD2Cブランドとして運営されているが、その一方で、リアルの顧客接点を広げる可能性を否定するわけではない。たとえば美容サロンのスタイリストによる推奨がエンドユーザーの購買活動につながるケースは大いにありうることから、啓発活動のひとつとして検討を進めるほか、髪色を変えることでメイクや服装も変えたくなるといったニーズに応えてアパレルや化粧品メーカーとのコラボレーションも検討していくという。

イロップの企業ミッションは「理想の髪色を、もっと当たり前にする。」だ。「サロンの仕上がりを1週間以上キープするのは難しいと諦めていた人たちの “当たり前” を、カラーシャンプーで理想の髪色をキープできるという “当たり前” に変えていきたい」(加藤氏)

Text: 野本纏花(Madoka Nomoto)
Top image & photo: 株式会社イロップ

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