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HiMirrorがIoTミラーに進化、顔のプロポーション測定で次世代カウンセリング

◆ English version: Taiwan’s HiMirror evolves to offer next-generation skin counseling with face proportion measuring
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肌診断だけでなく、顔のプロポーション測定ができるIoTミラー「HiMirror-Professional」が開発された。顔の見た目を数値化し、定点観測することで、見た目の変化を体重のように数字で捉えることが可能になる。また、シミや毛穴の測定結果を数値化することにより、使っている化粧品の効果を検証できるだけでなく、ブランド側は、ミラーを介して遠隔でユーザーとの密なコミュニケーションが可能になり、新たな販売チャネルのひとつとして導入を検討している企業が日本でも現れている。

顔のプロポーションを測定する特許技術が搭載された新型スマートミラーHiMirror Professionalがリリースされ、一般販売に先駆けて阪急うめだ本店や伊勢丹新宿店での導入がスタートする。このHiMirror Professionalは、台湾最大手の家電ODM・EMSカンパニー「新金宝グループ」と日本企業「B-by-C株式会社」の共同開発によって生まれたもので、「HiMirror」のブランドを持つ新金宝グループが開発を、B-by-Cが特許技術の企画と国内での営業を担当している。

このコラボレーションは、既存のサロンや百貨店などでの使用を想定して、より利用者に「実感」をもってもらえるスマートミラーのあるべき姿を考えたB-by-C側が、いくつかのスマートミラー開発企業を探しているうちに、両社が出会い、実現したものだ。新金宝グループ側も既存商品であるHiMirrorの機能が全面的にアップデートできるとしてWin-Winの提携となった。

いちばんの特徴は、顔のプロポーションを決める新基準「4V」に基づいた数値測定のほか、シミのステージ別測定、赤み測定など、業界初となる機能が装備されていることだ。このコンセプトを考え出したのがB-by-Cであり、同社の今までのナレッジの蓄積で、プロポーションなどの数値測定が可能になったという。

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提供:B-by-C

B-by-C は、「心身の総未病社会を解決する」をテーマに美容と医療の分野で長年事業を手がけてきた。約10年前から、美容サロンを中心としたフランチャイズ業態サービスである、フェイスレッスン&顔筋トレーニングスタジオ「B-by-C」を全国で350店舗運営している。このビジネスモデル自体は同社 代表取締役社長 佐藤達也氏が、前職でフランチャイズビジネスを開発・展開してきたノウハウによるものだ。美容業界でも同様の業態開発ができないかと考えたのがきっかけだったという。

「美容室は全国に24万店舗あり過当競争の状態だが、必ず通う場所でもある。そこでニーズのあるエステ事業をやったらどうかという発想でスタートしたものだった。しかし、ユーザーがフェイシャルエステに求めるものは、ホスピタリティや癒やしだけではなく、実感できる効果であることがユーザーアンケートからわかった。そこで、女性が持つ悩みの解決や効果実感をしっかり追究し、リピートしてもらうためにどのようなメニューが必要かというのをとことん考えてきた」(佐藤氏)。

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左から、STUBBINS合同会社
CEO 福岡英一氏、
B-by-C株式会社
代表取締役 CEO 佐藤達也氏、
同社 黒田裕二氏

加齢による顔の悩みを独自の基準で分類

事業立ち上げ時にまず行ったのが、顔の加齢型劣化の悩みやトラブルをデータ化し分類することだった。100人のモニターの協力のもと、今と昔の顔写真を集めて比較し、顔の悩みを独自の基準で50分類した。それぞれの悩みの改善方法について、解剖学や美容整形、皮膚科など関連する分野の顧問ドクターを交えて検討したという。

その結果、約10年かけてユーザー60万人の顔の悩みと向き合い、顔のトラブルと比例・連動する劣化点を発見し、独自の「4V」理論を編み出した。そして、劣化点の位置を改善するために、顔の筋肉や筋膜に働きかけるトレーニングを開発。サロンだけでなく自宅でもトレーニングを継続してもらうことで、50分類中、83%の悩みを改善するノウハウを得た。現在、ユーザーのサロンリピート率は90%を超えているという。

独自理論に基づく顔の測定をスマートミラーで自動化

こういったデータを自社で収集したB-by-Cは、2年ほど前から、それまでトレーナーがアナログで測定、検証を行っていた独自の計測技術をデジタル化するために、スマートミラーに着目していた。なぜなら、スマートミラーはスマートフォンのアプリと違い、同じ環境で顔の定点観測が可能だからだ。パートナー企業を探していたところ、新金宝グループと出会い、意気投合した。

新金宝グループのブランドコンサルティングを担当するSTUBBINS合同会社 CEO 福岡英一氏は、「既存のHiMirrorには、基本的な肌診断機能はあったが、さらに進化するための美容理論とソリューション提案が欠けていた。そこで、化粧品を飛び越えて、顔のプロポーションという分野で大量のデータと具体的なソリューションをもつB-by-Cとタッグを組むことで、HiMirrorをこれまでにないスマートミラーに進化させることができるのではないかと可能性を感じた」と話す。

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4V測定後(写真左)、劣化点を
上下に変更してトレーニング結果の
シミュレーションができる(写真右)
提供:B-by-C

新金宝グループは、HiMirror Professional開発のために120人のエンジニアを動員。B-by-Cが10年間で得た大量のデータをディープラーニングさせることで、既存のHiMirrorの肌診断機能をブラッシュアップさせた。その精度は、美容皮膚科等が使用する専用測定機器に匹敵するレベルといい、さらに業界初となる4V測定機能やシミの深度によってステージを測定する機能、敏感肌部位や将来のシミ予備軍を判定する赤み面積の測定機能を盛り込んだHiMirror Professionalが誕生した。

将来的には、店舗に設置する業務用の HiMirror Professionalと顧客が自宅で使う個人向け HiMirror Professionalを連動させることで、チャットによる遠隔カウンセリングやお手入れアドバイスの動画配信、肌状態にあった商品レコメンド、販売、広告表示など、密度の濃い顧客コミュニケーションが可能になる。HiMirror Professionalで撮影されたデータは本部サーバーに集約され、再びディープラーニングによって測定精度の改善、よりよいソリューション提案へと活用される。

連携イメージ

顧客コミュニケーション機能
(現在開発中)
提供:B-by-C

百貨店の化粧品カウンセリングコーナーでも導入が決定

HiMirror Professionalは、年内に、B-by-Cが運営するフェイスレッスン&顔筋トレーニングスタジオ「B-by-C」に導入されるほか、業務用HiMirror Professionalは、来年1月末を目処に阪急うめだ本店での常設導入が決定している。ブランドに属さない編集ゾーンでカウンセリング機器として活用され、測定結果にもとづきブランドの垣根をまたいだ商品リコメンドが可能になる。

HiMirror Professionalは、企業やメーカーごとにカスタマイズが可能で、現在、エステティックサロンや美容企業への導入提案を進めている。黒田氏は、「皮膚表面の解決策だけでなく、顔のプロポーションを整えるソリューションなので、化粧品分野とは競合せず、既存の化粧品と組み合わせて利用することで、相乗効果をもたらすことができる」と話す。

HiMirror Professionalの販売価格は、業務用は135,000円(税別)、個人顧客用は39,800円(税別)、導入後の月額費用は業務用1台につき3000円(税別、個人顧客用は無料)となる予定で、企業ごとのカスタマイズは最小100台からを予定している。目標販売台数は、1年で1万台だが、新金宝グループは「すべての鏡をHiMirrorに」として35億台規模を目指せると意気込んでおり、製品への自信がうかがえる。そこには、皮膚の構造や骨格が似ていて美容理論が応用しやすい近隣アジアへの海外展開も視野にふくまれている。

「ディープラーニングによって測定技術がさらに進化すれば、将来的には顔色から体の不調や内臓疾患が判定でき、そこから、病気の予防やサプリメントのアドバイスなど健康分野への応用の可能性も広がっていく」と佐藤氏。B-by-Cが長年描いてきた「心身の総未病社会を解決する」未来が、HiMirror Professionalの先に広がっている。

Text: 小野梨奈 (Lina Ono)
Top image: popcorner via shutterstock

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