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vivola、不妊治療のビックデータ解析でエビデンス重視の個人にあった治療計画をサポート

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不妊治療は患者が100人いれば、100通り以上の方法があり、その内容やどうステップアップするかなどは、治療を受ける各個人やカップルの判断に委ねられる部分が大きい。そこで、不妊治療に関するリテラシーをあげ、エビデンス重視で治療計画を立てるための支援に取り組むのが、不妊治療のビッグデータ解析を行うvivola株式会社だ。日本の不妊治療の課題とその解決に向けた取り組みについて、同社 代表取締役 角田夕香里氏に聞いた。

「客観的なデータをもとに不妊治療を検討したい」という思いから誕生

日本の出生数は2021年時点で81万1,604人と1899年以来最少を記録(※1)する一方で、2019年には体外受精で出生した子どもは6万598人と過去最多を更新、2020年は6万381人と微減したもののほぼ横ばい状態だ(※2)。2022年4月からは、特定不妊治療だけではなく、タイミング療法や人工授精などの一般不妊治療が、年齢、治療法などさまざまな条件はありつつも保険適用の対象となったこと、そして晩婚化・晩産化が進む日本では、不妊治療に向き合う層が今後さらに増えることが予想されている。

※1 令和3年(2021) 人口動態統計月報年計(概数)の概況
※2 日本産婦人科学会での発表

不妊治療のデータ分析アプリ「cocoromi」は、vivola株式会社 代表取締役 角田夕香里氏自身が不妊治療を始めたときに感じた課題感から誕生したサービスだ。

「検査結果からまず自分の状況を把握し、これからどんな治療をすることになるのか、費用はどれくらいかかるのか、自分と似た条件で同じような治療を行っている人は、どのくらいの期間で成功したのか、その確率はどれくらいなのかなど客観的なデータを知りたかったが、情報がまったくなかった。そこで、ブログやSNSで情報を検索して、かなりの時間をかけてなんとか300人分くらいの治療データを収集した」(角田氏)

最初は自分のためだけにエクセルにまとめて、治療の検討材料にしていた角田氏だが、ある時そのことをSNSで発信したところ、とても大きな反響があったという。これがきっかけで、「自分と同じように、客観的なデータをもとに治療内容を検討したい」ニーズがあることを確信した角田氏は、現CTOでデータサイエンティストの鈴木智之氏を誘って、2020年5月にvivola株式会社を設立した。

vivola株式会社 代表取締役 角田夕香里氏
プロフィール/東京工業大学大学院理工学研究科物質科学専攻修了後、2009年ソニー株式会社に入社。R&Dでデバイス開発に従事した後、同僚と社内新規事業提案制度を利用してライフスタイル製品を立ち上げ。2016年退社後は、フリーランスとして活動し、3年で50の新規事業プロジェクトを伴走し、近年は社会課題のテーマに積極的に参画。自身も婦人科系疾患や流産、不妊治療経験を経て、vivola株式会社を設立

不妊治療を支える「cocoromi」の3つの機能

cocoromiには、大きく3つの機能がある。1つめは、通院スケジュールや検査結果の数値などデータを記録して管理する機能だ。病院で医師が使用しているのと同じフォーマットになっていて、生理開始日をDAY1として、ホルモン値の変化や卵胞がどう育っていったのかを日々入力できるようになっている。もし、治療の途中で転院することになったとしても、cocoromiを見せることで医師が患者のことをすぐに理解できるようになっている。

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