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韓国の美容専門エージェンシーBeaus Companyは大手も頼る「外部戦略室」

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韓国でコスメに特化したデジタルマーケティング企業として知名度を高めている企業がある。Beaus Companyだ。同社はSNSやインフルエンサーとの連携など、デジタル空間での情報配信力に圧倒的な強みを持つ一方、デジタル空間上のコミュニケーションから「消費者の言葉」をすくい上げ、細部まで丁寧に分析。独自のノウハウで企業やブランドの成功を後押ししている。美容大国・韓国で生まれた美容専門の独立系エージェンシーの強みとは。

競合となるブランドも多数存在する韓国での化粧品マーケティングは、決して容易ではない。そのため美容業界に特化したマーケティング支援企業が韓国にはいくつかある。

韓国の化粧品が世界に知名度を広げていくようになった2013年に創業のBeaus Company(ビューズ・カンパニー)は、なかでも「老舗」として知られ、美容ブランドのマーケティング戦略を総合的にサポートする。その強みはデータ分析と情報拡散力で、韓国国内で唯一、グーグルやフェイスブックと公式にパートナーシップを結んでいる美容専門の広告代理店でもある。

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出典:Beaus Company 公式サイトより

現在、従業員数は約40人。そのほか、美容およびライフスタイルを専門とするインフルエンサー約200人のネットワークを抱え、キャンペーンごとに最適なマッチングを行うほか、自社で分散型メディア(インフルエンサーとタイアップしたチャンネルなど)を保有し、制作したクリエイティブや動画を拡散する仕組みもあわせもつ。分散型メディアにおけるフォロワーの総数は1,050万人を超えるとされる。

このメディア上の制作コンテンツに対して示されたユーザーの反応データなどをもとに、ブランド側が次にとるべきステップを精査して提案しつつ、最適な販路開拓までをサポートするのが同社のサービスだ。

SNS上での美容関連のコミュニケーションから「消費者のナマの声」をすくい上げた詳細な分析結果と、韓国における美容ブランドやアイテム、これまで手掛けてきたマーケティング施策の結果も含めてデータベース化しているのも大きな特徴で、韓国メディアの評を借りるならば「ブランドの外部戦略企画室」の役目を果たしているのである。

IMCマーケティングで総合的なサポート

その「外部戦略室」として、同社はIMCマーケティングの手法を用いている。IMCとは、Integrated Marketing Communicationの略で、多様なメディアを使い分けながら、顧客に一貫したメッセージを伝えるためにそれらを統合管理するマーケティング手法だ。

具体的には、ブランドマーケティングを行う過程で得た成果や課題、顧客の好感度や売れ筋、市場へのインパクトなど「どういうブランドが売れるか」というインサイトを、「Performance」(マーケティングの成果指数)、「Consumer Opinion」(消費者世論)、「Market Compatibility」(市場適合性)の3つの指数でデータベース化。ブランドから要請があった場合、その指数をもとにブランドのポジションを可視化して、各ブランドに適したマーケティング方法を提案する。

Beaus CompanyのCEOを務めるパク・チノ氏は、韓国のメディア取材に次のように答えている。「大企業の場合、リブランディングが必要か否かを判断するときや、新しい商品を発売、あるいは新しいブランドを立ち上げるときに、我々を利用する。最近では、商品企画の段階から我々をパートナーに指名するクライアントも増えてきた。SNS上でユーザーとの接点を多く持っているため、市場の流れや顧客ニーズを誰よりも早くキャッチしているという認識も顧客は持ってくれている」(Mobiinside「ビューティー専門デジタルマーケティング『Beaus Company』」より抜粋)

パク氏は、屈指のビジネススクールとして知られる米ニューヨーク市立大バルーク校を卒業後、マーケティングアナリストとして数社で経験を積んだのち同社を起業した。パク氏はかつての体験も踏まえ、化粧品業界がレッドオーシャン化している韓国では、ポジショニング戦略がもっとも重要だと韓国メディアに語っている。そして、そのポジショニングを見極めるためのデータを最も把握しているのが、自社であると自負している。

これまでBeaus Companyが行ったビューティー関連のキャンペーンは900件(2019年9月時点)を超えた。パク氏は「業界内で最大の数字といっても過言ではない」と、国内メディアの取材に対し自信をのぞかせ、実際に高い情報発信・収集力を武器に、アモーレパシフィックLG生活健康ロクシタンMISSHA など大手企業・ブランドをクライアントとして抱えている。同社がマーケティング支援を行った商品は、ECプラットフォームの特定カテゴリーで1位を取ることも少なくはなく、高評価を受けている。

また、Beaus Companyが掲載している実績ポートフォリオには、「ブランドの認知度向上」のみならず「好感度向上」の事例が掲載されている。たとえば、ロクシタンのクリスマス商戦においては、クリスマスに照準をあわせて「プレゼント=ロクシタン」という連想を確立し、売り場への誘導や販売を目的とするオンラインキャンペーンの企画・運営をBeaus Company が担当。

インフルエンサーを起用した動画やバイラルマーケティングを展開することで、1,500の書き込みを獲得し、そのうち600以上が購買に関する書き込みだった。ほかにもパパレシピ(Papa Recipe)のキャンペーンでは、ネット検索数を急増させることに成功している。

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提携しているインフルエンサー
出典:Beaus Company公式サイトより

データと顧客中心主義を展開するKビューティー2.0世代

韓国にはほかにも「CosinKorea」など、コスメ専門のマーケティング支援企業があり、こちらは自社で美容専門メディアを運営しつつ集客。セミナーやカンファレンスの企画・運営、B2Bマーケティング(メールマーケティングなど)、B2Cマーケティング(SNS、バイラルなど)を行っており、事業領域としてはBeaus Companyと重なる部分が多い。だが、Beaus Companyはデジタル上のコミュニケーション、ひいてはコンテンツに接した「顧客の声=データ」を収集し、インサイトを見いだすことにより重きを置いているとみられる。

韓国では、MEMEBOXなど、EC・レビューサイトを運営しながら、購買データをもとにプライベートブランドやコラボ商品の開発も行って成功を収めている先駆者もいる。データ・ドリブンなスタートアップが増えてきている状況で、代理店も進化し、これまでプロダクトそのものを重視してきた時代から「Kビューティー2.0世代」という新しい括り方ができそうだ。

Text: 河 鐘基(Jonggi HA)
Top image: ashadhodhomei via shutterstock

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