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エシカル&リュクス、男性コスメ、AI。パリで3回目のBeautyTech MeetUp

◆ English version: Ethics, luxury goods, men’s cosmetics, and AI @ The 3rd Beauty Tech Paris MeetUp
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2017年4月にサンフランシスコで発足した世界初のビューティテック・コミュニティは、すでに世界12都市に支部が広がっている。2019年1月17日にはパリで3回目のMeetUpが、テック系インキュベーター施設の ♯LaPiscineで開催された。目的は起業家や投資家のビジネス経験の共有とネットワーキング。会場には約130名が集まり、そのほとんどが化粧品系のスタートアッパーという、過去最高の盛り上がりを見せた。今回はクリーンコスメやデータを活用したビジネスで話題の起業家6名が登壇した。

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MeetUp Paris当日の登壇者たち
(Crédit : SMILZZ)

パネル♯1では、新しい習慣を提案するクリーンコスメのスタートアップ3名が登場。モデレーターを務めた大手金融機関BNPパリバのロラン・ドロワン(Laurent Droin)氏が冒頭のスピーチで指摘したのは、ラグジュアリーとストリートウエア、ブランドと小売業者などの2つの定義の境界線、また、SNSの普及によりブランドと消費者との距離が縮まるなど、さまざまなボーダーが曖昧になってきているということだ。このパネルでは「ビューティとラグジュアリーの新しい境界線」というテーマを巡って、起業家がどのようにビジネスを展開し、チャレンジしているかを、それぞれの視点で語った。

男性もスキンケアを日常の習慣に

「消費者はSNSでブランドに気軽にコンタクトができる時代。いかに顧客とブランドとの垣根を低くするかがポイントだ」というのは、2015年に男性用スキン・ヘアケア製品「Horace」を共同創業したマルク・ブリアン=テルレ(Marc Briant-Terlet)氏だ。同社は95%以上の自然成分で作られたMade in Franceのメンズコスメで、「美意識の高い男性だけではなく、みんなに使って欲しい」と気さくに話す。

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マルク・ブリアン=テルレ氏
(Crédit : SMILZZ)

デオドラント、シェービング、スタイリング製品を日常的に使用する男性は多いが、それらの使用成分にまで目を向ける層はまだ少ない。また、そもそも化粧品を使う習慣のない男性が、時間をかけて肌や髪のケアをするのはハードルが高く、購入したとしてもどのように使ったらいいかわからないケースも多々ある。そこで、Horaceのウェブサイトでは、肌の色、体型など多様性のある一般人モデルを登場させ、誰もが使える化粧品という身近なイメージを打ち出し、初めの一歩を踏み出しやすくしている。また、効能の説明には絵文字アイコンを添えるなどユーモアのある雰囲気づくりにも配慮した。価格帯もシャンプー 250mlが12ユーロ(約1500円)と手ごろになっている。

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出典:Horaceの公式サイトより

また、使用方法を説明するハウツー動画には創業者や顧客担当者もみずから出演し、親近感を出している(下記動画参照)。

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