ネクイノがフェムテックの先に目指す「医療の再定義」、オープンプラットフォーム構想始動
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オンライン診療でピルを処方する「スマルナ」を運営する株式会社ネクイノは、「世界中の医療空間と体験をRe▷designする」というミッションのもと、フェムテック領域から日本の医療課題の解決に取り組む。オンラインとオフラインの垣根のないOMO型のウィメンズクリニックのプロデュースや、定額制美容皮膚科「HADA LOUNGEクリニック」との提携も果たし、ユーザーの肌データを含めたヘルスデータのオープンプラットフォーム構築を目指す。
フェムテックの先にネクイノが目指す医療の再定義
2018年に立ち上がった「スマルナ」は、オンライン診療でピルを処方するサブスクリプションサービスだ。処方の有無に関わらず、専用アプリ内では生理や避妊、低用量ピル、アフターピルなどに関するコンテンツを読めるほか、本人確認後に助産師や薬剤師への無料相談が利用できる。現在は、本人確認を完了したユーザーの約半数が、ピル処方を定期的に希望するサブスクユーザーで、2022年2月にアプリのダウンロード数は累計72万件を超え、メディカルコミュニケーション数※は178万件を突破した。
※スマルナでのオンライン診察回数、医療相談数およびピルを届けた数の累計値
株式会社ネクイノの2016年創業からの累計調達額は約35億円(2021年9月時点)に達し、個人向けのスマルナに加え、企業向けにも「スマルナ for Biz」を展開し福利厚生として導入されているなど、日本を代表するフェムテック企業と呼ばれることも多いが、同社 代表取締役 石井健一氏は、「決して低用量などのピルだけを販売したくて始めたわけではない。日本の医療課題そのものを解決する、つまり医療の再定義という大きな山に向かってどの登り口から取り組むのがよいか、と考えた結果、フェムテック領域を選んだ」と話す。
石井氏のいう「医療の再定義」とは、約30兆円といわれる国民医療費の3分の1を老年医療費が占めるいびつな現状から、病気になる前の予防やプライマリーケアに力を入れ、誰もが健康を謳歌できる世界をつくり、医療費の負担を極力軽くしつつ、偏りもなくしていこうというビジョンである。
「そのためには、“予防的アプローチ”とテクノロジーを活用した“リソースの再配分”が非常に重要だと考えている。病気の治療という点で日本の医療技術は世界のトップクラスだが、それ以外の社会実装が遅れている領域でのテクノロジー活用を推進したいという思いで事業を構築してきた」(石井氏)
そのビジョンの入口として着目したのが、女性の健康として大きな課題のひとつである生理痛などのPMS、将来的な不妊などの予防や、望まない妊娠などの解決にもつながる低用量ピルだった。欧州では10代半ばから低用量ピルを飲み始める文化が浸透しているが、日本では低用量ピルの服用率はわずか1〜3%で、海外と比べて普及、つまり社会実装が遅れている。
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