2020年も敵なし「TikTok」中国版&海外版の最新機能にみる、最強アプリへの道
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2018年に誕生し、世界中で爆発的なヒットとなった短編動画アプリ「TikTok」。2019年も人気は衰え知らずだった。SNSを解禁したアイドルグループ・嵐も11月にアカウントを開設し、フォロワー数はすでに120万を超える。そんなTikTokの最新の動きを紹介するとともに、今後の行方を占いたい。
TikTokの好調ぶりは日本だけではない。米調査会社Sensor Towerのレポートによると、2019年第3四半期の世界のスマートフォン向けアプリのダウンロード数は、TikTokがメッセンジャーアプリ「WhatsApp」に次ぐ第2位につける。アップルのApp Storeに限れば第1位であった。運営するバイトダンス(北京字節跳動科技)の同年11月の発表によると、TikTokの全世界でのダウンロード数は15億を突破したという。
グローバル版にはない中国版「Douyin」の進化
この勢いは本家の中国の「Douyin(抖音)」についても例外ではない。バイトダンスによると、同年7月時点で日間アクティブユーザー(DAU)は3.2億。以前の記事で、中国版=Douyinとグローバル版=TikTokの機能の違いについて紹介したが中国でもさらなる進化を遂げているようだ(両者の基本機能はまったく同じだが、Douyinは中国大陸ユーザー専用のアプリとしてグローバル版とは“隔離”されている)。
まず、Douyinには新たな機能がいくつか加わった。その1つは「群聊」だ。LINEのグループチャットのような機能で、相互フォローしているユーザー同士が動画だけでなく、テキストベースでもメッセージのやり取りができるようになった。一見、些細な機能追加に思えるが、通信手段としても使えるようになったことはDouyinの中毒性をいっそう高める。ほぼすべての中国人スマホユーザーが利用している中国版LINE「WeChat(微信)」からユーザーを奪おうという野心が透けてみえる。
続いて「抖音上線創作者学院(オンラインクリエイターアカデミー)」が設置された。名前から想像できるように、これはユーザーのための講座で、フォロワーを増やす方法や商品を販売するコツなどを専門家が動画で解説してくれる。2019年8月に開催した創作者(クリエーター)大会でバイトダンスは「クリエイター成長計画」を発表。「より多くのクリエイティブなツールと、より完璧なサービスという後ろ盾を提供することにより、向こう1年以内に中国だけで1,000万人のクリエイターが収益を上げるための手助けをする」と表明している。そのサービスのひとつが同学院というわけだ。
アプリ内のメニューから
クリエイター向けの講座動画が閲覧できる
出典:Douyin画面より
「識図」という画像識別機能もリリースされた。ユーザーが投稿した動画からキャプチャーした画像をもとに検索してくれる機能で、たとえば動画内に欲しいアイテムがあれば、それを販売しているショップまで見つけ出す画期的な機能だ。ところが2020年1月、アプリのバージョンアップにともない、この機能は削除されてしまった。プライバシー侵害などの懸念があったのかもしれない。
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