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LUSHなど活用、Z世代が「病みつきになる」#ASMR、美容動画での活用事例

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LUSHなど海外の美容ブランドがマーケティングの一環で「ASMR」を活用する事例が増えている。多くの都市がロックダウン下にあった2020年3月には、Milk MakeupやHUDA BEAUTYなどの多くのビューティーブランドが、TikTokやInstagramでASMR動画を投稿した。これらのブランドはどのような効果を狙いASMRを取り入れているのか。海外の美容業界におけるASMR活用事例を挙げ、そのトレンドの背景と、日本での広がりの可能性について考察する。

ASMR(自律感覚絶頂反応)とは、人が聴覚や視覚への刺激によって感じる心地良さや、脳がゾワゾワするような反応・感覚を指す「Autonomous Sensory Meridian Response」の頭文字で、「エー・エス・エム・アール」や「アスマー」と読む。その概念自体は、ASMRに関する情報を発信するWebサイト「ASMR University」の設立者 ジェニファー・アレン(Jennifer Allen)氏により2010年に提唱され、それ以降、YouTubeの人気カテゴリーのひとつとして、Z世代など若年層を中心に一種のサブカルチャーとして親しまれてきた経緯がある。

Googleトレンドデータによると、ASMRはこの5年間で徐々に人気を獲得しており、2018年の2月にはインターネット上に1,100万本のASMR関連動画が存在していたという。米国では、2017年頃からIKEAKFCなどASMRをマーケティングに活用する大手企業が目立ち始め、2019年のスーパーボウルのテレビ放映中にもASMRを使ったCMが流れるなど、メジャーな動画ジャンルに成長している

Googleによると、ASMR視聴者の年齢層の大半は18~24歳で、視聴者の約77%はASMRコンテンツのほかに美容やフィットネスコンテンツも閲覧しているという。その流れを受け、美容系インフルエンサーもASMR動画を積極的に投稿している。ミッシェル・ファン(Michelle Phan)氏が、自身の化粧品ブランド「EM COSMETICS」でASMRを用いた商品紹介動画を投稿したほか、同じく自身の化粧品ブランド「Jefferee Star cosmetics」をもつジェフリー・スター(Jeffree Star)氏もASMR動画を投稿し、約1,500万回の再生回数を記録するなど、ASMRは、Z世代を積極的に取り込みたいビューティーブランドにとって魅力的なジャンルとの認識が定着した。

スター氏が2019年に投稿した
ASMR動画は再生回数1,500万回を超える

本来、ASMR動画とはマイク越しに聴こえるささやき声や食べものの咀嚼音などがメジャーだ。化粧品のレビューやメイクのチュートリアルの具体性に必ずしも重きをおかないクリエイターが、美容関連動画をYouTubeで作成する場合、独特の雰囲気づくりにASMRを活用する例が多い。たとえば、ヘッドフォン越しに聴こえるソフトなささやき声や、顔を指で擦るスクラッチ音、タッピング音、ブラッシング音、化粧品の蓋の開閉音などが目立つ。また、対面形式でメイクを施されている様子を再現したロールプレイ動画もポピュラーだ。

それでは、ビューティブランドのASMR活用事例を詳しくみていこう。

ASMRインフルエンサーに商品を定期的に配布

ビューティ・ライフスタイル関連商品を詰め合わせたボックスを季節ごと届けるサブスクリプションサービス「FabFitFun」のインフルエンサーマーケティング・シニアディレクターのジョリー・ジャンコウィッツ(Jolie Jankowitz)氏は、「ASMRコンテンツの配信は、2年前から取り組み始めた。それは“奇妙”であることに寛容な人々が集う、本物のコミュニティだ」とGlossyに話している

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