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美容業界におけるクリーンテック、新感覚の「センソリアル処方」に注目【Cosmetic 360 2023】

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2023年10月に開催された「Cosmetic 360」では、例年同様にロレアルやLVMHなどのグローバル大手から、中小・スタートアップまで化粧品業界に携わる企業が一堂に集まり、地球環境の保全を図りながらも化粧品産業の発展と成長を促すソリューションについて、クリーンテックを始め新しい技術や発想が発表された。同会場で注目の高かった企業やブランドの製品、ユニークな試みを、現地取材をしてレポートする。


Cosmetic 360、2023年のテーマは「クリーンテクノロジー」


2023年10月17日・18日に仏パリで化粧品関連の国際展示会「Cosmetic 360(以下、コスメティック 360)」が開催された。化粧品領域のグローバルネットワークを持つ世界最大級の化粧品産業集積地である仏コスメティックバレーが主催するこの展示会には、原料、パッケージ、製品、テクノロジーなどさまざまな分野を網羅した、グローバル企業、スタートアップ、中小企業、研究者によるプロジェクトが出展する。

近年のトレンドは、環境問題を解決しながら、企業の競争力を確保するためのイノベーションが多く見受けられる。たとえば、エコ・コンセプション(環境負荷の削減を目指したコンセプト)の製品をはじめ、生物多様性の保全と回復、石油由来素材の代替、カーボンニュートラルと炭素隔離(CO₂の大気中への排出を防ぐこと)、水の使用効率性などを高めるアイディア、リサイクル可能あるいは堆肥化可能なパッケージといった、業界全体の持続可能性の前進にコミットする革新的なソリューションが発表されてきた。

第9回目を迎えての今回は「クリーンテクノロジー(Clean Technology、以下クリーンテック)」をテーマに掲げ、25カ国から250企業が出展し、12の化粧品産業の連携団体が訪れ、約4,500名の業界関係者が来場した。また、会場には2022年に引き続き韓国パビリオンが設けられ、在仏韓国大使が訪れるなど、同国の産業、研究機関、国や地方自治体が一丸となってグローバルへの進出を加速していることを印象づけた。

Cosmetic 360のオープニングセレモニーの様子。
中央左:クリストフ・ベシュ(Christophe Béchu)エコロジー移行・地域結束大臣、中央右:コスメティックバレー会長マルク=アントワーヌ・ジャメ(Marc-Antoine Jamet)氏、右端:チェ・ジェチョル(CHOI Jai Chul)在仏韓国大使
©︎Sylvain Bachelot

化粧品業界においてのクリーンテックを、主催者は「天然資源、エネルギー、水、原材料を利用して効率と生産性を大幅に向上させる産業技術とサービスで、このアプローチは、誘発毒性(化学物質などにより誘発される毒性)および廃棄物量の体系的な削減を伴うものであり、既存技術と同等またはそれ以上の性能を保証するもの」と定義する。

化石燃料など再生不可能な資源の使用を限りなく減らしても、従来と変わらない効果、あるいはそれ以上のものを生み出す原動力となるクリーンテックが、なぜ今、重要視されるかといえば、現在、化粧品業界では、グリーンエネルギー、脱炭素など環境問題の解決に大きなインパクトをもたらす、“ディープテック(科学的な発見や革新的な技術にもとづいて、世界に大きな影響を与える課題解決のための取り組み)”と呼ばれる技術革新が強く求められているからだ。

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