レベッカ・ミンコフのRFIDタグ活用試着室が生み出す快適さとデータ
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2018年6月28日、米国発の人気ファッションブランド「レベッカ・ミンコフ」を手がけるデザイナーのレベッカ・ミンコフ氏(トップ写真左)によるトークイベントが、ニューヨークで開催された。会場はニューヨークで唯一となる同ブランドの旗艦店。主催者はニューヨーク発の美容とファッションに特化したメディアGlossyで、同イベントは、Glossyが2018年にスタートした有料会員プログラム「Glossy+」による初の会員限定イベントとして行われた(写真右がGlossyのインタビュアー)。米国内だけでなく世界中のミレ二アル世代の女性から絶大な支持を得ている同ブランド。ファンとの信頼関係作りのために、デジタルの積極活用に力を入れる理由を余すことなく語ったレベッカ・ミンコフ氏のトークイベントレポートをお伝えする。
トークイベント開始前の会場。NYの旗艦店で行われた
テックを用いたブランド戦略でミレニアル世代女性の心を鷲掴み
大雨のなかトークイベントに集まった来場者はおよそ50人。数人の男性を除き全員が女性だった。年齢層は20代~50代と幅広く、ボリューム層は20〜30代といったところ。トークイベントの開始まではシャンパンが振舞われ、来場者同士で懇親を深める時間が設けられた。
各椅子にはGlossy+のピンクの箱に入ったカップケーキが置かれた
会場には企業のデジタルマーケティング担当と思われる参加者が多く、なかでも「レベッカ・ミンコフファン」の姿が目立った。イベント開始まで近くにいた女性2人に話しかけてみると、一人は、ギャップのマーケティング部門に勤める30代、もう一人はテキスタイルデザインの会社に勤める20代で、2人とも以前からレベッカ・ミンコフのファンでその日もバッグを持参していた。ちなみに機能性とデザイン性の高さから、米国のワーキングウーマンのレベッカ・ミンコフバッグ所持率はかなり高い。前述した2人は、仕事柄彼女のブランディングやテックを用いたマーケティング手法に興味があり、今回のイベントに参加したそうだ。
バッグメーカーとして名高いレベッカ・ミンコフだが、ファッションとテクノロジーをいち早く融合させたブランドとしても知られる。ニューヨーク・SOHO地区にある旗艦店では、そのテクノロジーを存分に体感することができる。
来場者の大半が20〜30代の女性
タッチパネルミラーのある試着室でシャンパンをオーダー
店舗の目玉は、メインフロアと試着室のタッチパネルミラー。試着室に入ると目の前と両サイドの鏡に「Rebecca Minkoff」のロゴ、そしてサイドに操作キーが浮かび上がる。その後すぐにロゴは消え普通の鏡として機能するが、サイドの操作キーで試着室内の照明調節や、なんとシャンパンのオーダーまでできる。RFIDタグの活用や、試着室内からサイズ変更などを依頼できるタッチパネルの設置などはファッションブランドの「ZARA」も導入を進めているが、ミラーからシャンパンを注文ししかも飲みながらショッピングできるとは。さすがミレ二アル世代をターゲットにしているだけあり、なんともゴージャスでインスタ映えする光景だ。
試着室に持ち込んだアイテムは、RFIDタグによって認識され、サイズ違いや色違いが欲しい場合なども、パネル操作で即座に店員に持ってきてもらうことができる。「別のアイテムが欲しい時に、わざわざ試着室から顔を出して店員を呼ぶのは面倒だと思っていた。店員と直にコミュニケーションが取れるという実店舗の利点と、オンラインショッピングの持つ便利さ、お店では双方の良いところだけを融合させることで、顧客のストレスを減らして満足度を上げたい。これが私たちがテクノロジーにこだわる理由。」とレベッカ氏は語った。
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