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イニスフリーなど韓国ブランドが続々ロシアへ進出、ポストチャイナ市場の魅力

◆ English version: Innisfree and other Korean brands expand into Russia in search of new markets post-China
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K-Beautyが中国に続く新たな輸出先を模索する動きが活発化している。なかでも昨今、話題になることが多いのがロシアだ。その開拓はどのように進んでいるのか。韓国企業、関連機関、自治体などの動きから、その現在地を探る。

2019年10月3日、韓国の国家行政機関・食品医薬品安全処は、2018年の韓国化粧品の輸出規模が62億6,019万ドル(約6,808億円)にのぼり、前年比23.3%増加したと発表した。輸出の伸び率を牽引した主な要因のひとつは「新市場の開拓」である。北米、欧州、東南アジアへの輸出が伸びており、なかでも特に目を引くのがロシアだ。その輸出規模は前年比で63.6%増となった。

韓国の国営貿易投資振興機関であり、世界各国にネットワークを持つ大韓貿易投資振興公社(KOTRA)が2019年6月に発表した資料では、ロシアの美容市場はドイツ、フランス、英国に次ぎ、欧州で4番目に大きいと指摘されている。その香水および化粧品市場規模は推算で約78億ドル(約8,482億円)であり、7年前と比較するとおよそ38%拡大しているという。ロシアの人口が約1億4,400万人ということから考えると、伸びしろはまだまだあるだろう。

また、ロシアの消費者は、オンライン(6%)で購入するよりも、オフライン(94%)で製品を購入する傾向が強く、洗顔料やハンドクリームは中低価格ブランドの製品が、またアンチエイジングなどについては、高価格帯のプレミアム製品が人気だそうだ。また、男性用化粧品に対する関心も着実に高まっているとKOTRAは分析している。

事実、最近は、韓国ブランドのロシア進出を報じるニュースが絶えない。2019年11月末には、韓国国内最大手・アモーレパシフィックのブランド・イニスフリーが、ロシア3大ビューティショップのひとつであるRive Gaucheのオフライン店舗3カ所に入店し、ロシア進出を果たしたとの報道があった。

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モスクワにあるRive Gauche店舗
Image: Morumotto via Shutterstock

イニスフリーは、スキンケア、クレンジング、シートマスク、リップケア用品など約120種の商品をロシアで展開。2020年中に、モスクワの全4店舗、サンクト・ペテルブルグ4店舗をはじめ、ロシア全域にあるRive Gaucheのオフライン店舗50カ所で販売する計画を進めているとされ、イニスフリーの関係者は、次のようにメディア取材に答えている。

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