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中国「618」の化粧品売上は日本ブランドが存在感、アリババは環境配慮をアピール

◆ English version: Japanese Cosmetic Brands Gain Prominence due to Strong Sales during China’s 618 Shopping Festival
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ダブルイレブンに次ぐ規模を誇る中国のセールイベント2021年の「618」は、6月18日を最終日として数週間にわたり開催された。全流通額の約10%がライブコマース経由だった。また、初めてアリババが環境配慮もアピールし、化粧品カテゴリーでは資生堂やカネボウなどの日本ブランドが存在感を示した。618の注目ポイントを紹介する。

ダブルイレブンは、中国のEC最大手アリババグループ(阿里巴巴集団)によって立ち上げられたが、競合であるJD.com(京東集団)が対抗するように2010年に開始したのが618だ。6月18日がJD.comの創業日であることに由来するが、いまではダブルイレブン同様、JD.com以外のプラットフォームでも行われる一大セールイベントになっている。

中国のデータ調査会社・星図数据によると、2021年の618期間中(6月1日〜18日)の主要プラットフォームでのGMV(流通取引総額)は、前年比26.5%増の5,785億元(約9兆8,000億円)だった。このうちの約10%強にあたる645億元(約1兆1,000億円)は、ライブコマースによってもたらされた。プラットフォームの売上トップ3は、アリババグループのTmall(天猫)、JD.com(京東)、ピンドウドウ(拼多多)の順だった。JD.comが始めたセールイベントにおいても、やはりアリババが強いのがみてとれる。

アリババは、2018年に立ち上げた有料会員制度「88VIP」でユーザーのスティッキネスを高めてきた。ユーザーは1,000ポイントを保有していれば、年間88元(約1,500円)を払うことで88VIPになることができ、特別割引を受けて購入ができる。1,000ポイントがない場合の年会費は888元(約1万5,000円)になるが、頻繁に買い物をするユーザーであれば1,000ポイントはすぐに溜まる。この88VIP会員は618に対する貢献度も高く、地元メディアの報道によると、6月1日のセール開始1時間での88VIP会員の総支出額は、前年比221%増だったという。

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期間中10兆円弱の流通取引総額を
記録した2021年の618
出典:JD.com

資生堂をはじめ日本ブランドも躍進

前述の星図数据のデータによれば、618のカテゴリー別売上は、家電が824億元(約1兆4,000億円)で1位。スマートフォンが742億元(約1兆3,000億円)、アパレル・アクセサリーが680億元(約1兆2,000億円)と続き、化粧品カテゴリーとなるメイク・スキンケアは4位で17.8%増の512億元(約8,700億円)だった。内訳はスキンケアが379億元(約6,443億円)でメイク・香水が132億元(約2,244億円)だ。

化粧品カテゴリー別の売上トップ5は、スキンケアが「ロレアル」「エスティ ローダー」「ランコム」「OLAY」「SK-Ⅱ」の順で、メイク・香水が「パーフェクトダイアリー(完美日記)」「Florasis(花西子)」「イヴ・サンローラン」「3CE」「ディオール」の順だった。韓国の3CE以外は、いずれも常連としてトップに食い込むブランドで、ここには日本ブランドは入っていないが、細かくみていくと決して日本ブランドの売れ行きが悪かったわけではない。

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