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Kaya、Beardoにみるインドの美容新興ブランドのデジタルマーケティング

◆English version: Lessons from Indian beauty brands
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前回で紹介したように、長い時間をかけて人々の生活支援も行いつつインド市場に進出したユニリーバやP&Gなどの外資系大手のほかに、インドでは2000年代に登場した新興ブランドはデジタルマーケティングをも駆使して短期間に市場に浸透している。今回は総合スキンケアブランドのKaya、グルーミングブランドのBeardoを紹介したい。

インドでいま最も注目したい、テクノロジーを生かした施術と製品を提供する総合スキンケアブランドは、2002年に創業されたKayaだろう。ターゲットはインドの都市部に住む、忙しく仕事や家庭を切り盛りする女性たちで、プレミアムブランドのジャンルに入るいわばドクターズコスメだ。ブランドイメージと直結しているのが、専門の皮膚科医を擁するクリニックだ。全国27都市で約100の、米国FDA認可の施術を実践するクリニックとして展開されている。

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出典:kaya

そこを起点に、スキンケア関連のあらゆる問題解決を提供するというのが同社の試みだ。最先端のテクノロジーを取り込み、一方で顧客ごとにカスタマイズされた丁寧な対応と具体的なスキンケアのソリューションが強みである。クリニックでは、ニキビ、シミ・ソバカス、老化への対応、レーザー脱毛、ボディケアなどが、いわゆる一般的なスキンケアのトリートメントに加えて行われている。

商品ラインナップは、顔、ヘア、ボディの分野で、毎日のスキンケアから特別なケア用品まで13以上のレンジを持つ。アイテムは、オンラインでも、全国に130店舗以上ある Kaya skin barというショップでも購入することができる。

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出典:Kaya

問題解決型のサービスとアイテム

インド人には、現実的な問題解決を優先する(せざるを得ない)ことが多い。哲学的である一方で、目の前に混沌とした社会の課題が山積みになっていることも影響していると思われ、もともと実用的な課題解決にも長けているように思われる。

Kayaのスキンケアでは、悩みのソリューションを提供することに重きをおいている傾向がある。基礎化粧品、といったジャンルは見当たらず、トップページの「Skin Care」カテゴリーからはこのような「肌の悩み」「クリニックのサービス」そして最後に「商品のタイプ」が出てくる。

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