仏Cosmetic360に3Dメイクプリンター、IoTコスメなどのイノベーションが集結
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毎年10月にパリで開催される化粧品の国際見本市「Cosmetic 360」は、今年で5回目を迎え、企業の社会的責任(CSR)や持続可能なビューティをテーマに講演やハッカソンが開かれたほか、招待国であるアメリカのインディーブランド、台湾発のIoTコスメなど、さまざまなイノベーションに注目が集まった。
仏国から競争力産業クラスターに指定されているコスメティックバレーが主催するこのイベントでは、製品、原料、生産、パッケージ、サービスなどさまざまな分野の企業が一同に集まり、イノベーションを発表する。今年も10月16日、17日の2日間にわたり、ルーヴル美術館直結のイベントホールで開催され、 70カ国から220企業(そのうちの25%が外国企業)が出展、5,500人(昨年の10%増)のプロフェッショナルが訪れた。
中央は開会式に出席した
コスメティックバレーのプレジデント、
マルク=アントワーヌ・ジャメ
(Marc-Antoine Jamet)氏。
その右が元環境大臣でCOP21
(気候変動枠組条約締約国会議)の
プレジデントを2016年2月〜11月まで
務めたセゴレーヌ・ロワイヤル
(Ségolène Royal)氏
photo: ©Cécile Muzard
昨年は日本が招待国となり、芸者風メイクから自然派コスメまでさまざまな日本の美容法やアイテムが紹介されたが、今年はD2Cブランドが台頭するアメリカが招待国となった。「US Block」という名の特別会場が設けられ、美容領域に特化した仏コンサルティング会社Cosmetics Inspiration & Creationのレイラ・ロシェ(Leila Rochet)氏の進行のもと、アメリカ市場のトレンドやスタートアップが紹介された。
世界初の3Dメイクアッププリンターが発売前に公開
もっとも注目を集めたのは、ビーティテック企業Minkが開発した3Dメイクアッププリンターだ。卓上サイズのコンパクトなプリンターでカラーパウダーを作ることができる。現在、プレオーダー中で、2020年秋の販売を前に、創業者自らがデモンストレーションを行った。
Minkの3Dメイクアッププリンター
操作方法は極めて簡単でスマートフォンで撮った写真をWiFi経由で3Dプリンターに送信するだけだ。約15秒でメイクアップシートに写真がプリントされ、指でこするとそのままアイシャドウやチークとして使用できる。共同創業者のグレイス・チョイ(Grace Choi)氏は、会場でトマトの写真を撮り、その場で作られたカラーパウダーを手の甲につけて見せた。
(※HPには15秒と書かれているがシートがプリンターに吸い込まれてから出てくるまで、ぴったり30秒かかるので、内部で印刷している時間が15秒と思われる)
写真がアイシャドウやチークとして使える
チョイ氏によると、現在は自然由来の成分を使用している訳ではないが、FDA(米国食品医薬品局)の認証を得た成分で、安心して肌にのせられるという。会場からの「シャネルなどの大手ブランドのアイメイクの写真を撮ってプリントすると、同じものができるのか」という質問には、かなり近い色を実現できているものの、テクスチャーなどは同じというわけではないと答えていた。
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