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中国の流行語「消費降級」。化粧品はプチプラ、せめてもの贅沢品、どちらに向かうのか

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景気後退が囁かれる中国で今、「2018年十大新語(10大流行語)」にも選ばれた「消費降級」という言葉が話題になっている。世界各地で“爆買い”をしてきた中国人の消費行動にいま、いったい何が起きているのだろうか。「消費降級」の実体にせまりながら、化粧品購入のインサイトを探る。

中国国家統計局の発表によると、2018年の第4四半期のGDP(国内総生産)成長率は前年同期比6.4%増と低調となった。通年でも6.6%増に留まり、天安門事件直後の1990年に記録した3.9%以来、28年ぶりの低水準となった。米中貿易戦争の行方が不透明であることもあり、中国の経済減速を危惧する声は多いが、それは他のマクロ指標にも現れている。

一方、2019年1月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.7%の上昇となり、前月から0.2ポイントの減少となった(同、統計局発表)。燃料価格の下落が原因だとされているが、2018年が概ね2%台で推移していたことを考えると低い数値だ。輸出入の減少も深刻で、中国税関総署の発表によると、2018年12月の輸出額は前年同月比4%減の2,212億米ドル(約24.6兆円)、輸入額は同8%減の1,641億米ドル(18.3兆円)だった。

春節の爆買いも2005年以来の低水準に

経済の減速は企業の業績にも表れている。2018年12月の中国工業部門企業利益は前年比1.9%減の6,808億元(約11兆円)で、2カ月連続のマイナスとなった。また、金融情報会社Windによると、1月末日までに2018年決算を開示したA株(上海、深圳の各市場)上場2,518社のうち442社が赤字。うち25社は30億元(約486億円)以上の赤字を計上した。2017年は全3,513社中、赤字は221社だったことからも、この1年で企業業績は急激に悪化しているといえよう。

こうした様々な指標の悪化は、個人消費にも大きな影響を及ぼしている。個人消費の動向を示す「社会消費品小売総額」は前年比9.0%増と、2017年(10.2%増)を下回った。長年にわたって世界市場を牽引し続けてきた自動車産業にもブレーキがかかっている。中国自動車工業協会(CAAM)の発表によると、2018年の自動車販売台数は前年比2.8%減の2,810万台で、28年ぶりの前年割れとなった。また、春節(旧正月)休暇中における中国国内の小売・飲食業による売上高は前年比8.5%増の1兆元(約16.2兆円)。統計の公表を開始した2005年以来、初めて二桁を割った。

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