顧客の可視化とその先を。 ブランドオフィシャルやKARTEで描くファン醸成セオリー
◆ English version: Business a la KARTE: Marketing tools from Japan that visualize customer behaviors
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購買ポイントやコミュニケーションの多様化のなかで顧客をどう可視化し、どう向き合うべきか。今回はこういった問いに答える2つのマーケティングツールを紹介する。@cosmeのクチコミプラットフォーム、EC、リアル店舗と、いわば@cosme経済圏のユーザーデータを可視化しファン醸成のための戦略づくりに役立つ「ブランドオフィシャル」と、ECなどですでに自社の顧客化したユーザーの感情までも可視化しリアルタイムでの施策も可能なCRMツール「KARTE」だ。
複雑な購買行動を可視化して顧客育成~戦略策定に活用
株式会社アイスタイルが展開する「ブランドオフィシャル」は、月間約1,300万人が利用する美容プラットフォーム「@cosme」ユーザーの行動データを用いた、企業向けマーケティングサービスである。@cosmeとECサイト「@cosme SHOPPING」、実店舗「@cosme STORE」のユーザーIDとプロダクトIDをつなげ、そこにブランドごとのIDを連携することで、自社ブランドの商品を購買する前の認知から検討・購入に至る行動履歴と、購買後にリピートしてロイヤルカスタマーになるまでの顧客のカスタマージャーニーの一部始終を可視化するものだ。
「ブランドオフィシャル」概要
提供:アイスタイル
「ブランドオフィシャル」では、商品の購入やコンテンツの閲覧、クチコミ投稿などのアクションをもとに、ブランドとユーザーの関係性を「ブランドエンゲージメントランク」というS~Eまで6階層のピラミッド型で表示する。
ダッシュボードのランク表示のイメージ
提供:アイスタイル
各ランクのユーザーがどんなコンテンツや他社ブランドに関心があるのかについて詳細データを確認できるほか、一人ひとりのユーザーが、どんなブランド情報に接し、それから何日で購入に至ったのかを「ユーザーグロースマップ(UGM)」で分析できる。「UGMでは、ひとりのユーザーのエンゲージメントランクが上がっていく様子だけではなく、あるランクのユーザーが5,000人いれば全員の行動履歴を全体像として可視化することができる」と、同社 ブランドオフィシャル本部 事業戦略推進部 パートナーセールス推進グループ 田島有希子氏は説明する。
UGMの例
提供:アイスタイル
このほか、@cosmeが展開するコスメの通販イベント「@cosme Beauty Day」や実店舗の@cosme STORE、同社の旗艦店である原宿の「@cosme TOKYO」での店頭プロモーションなどとも連動してその効果を検証し、プロモーションを基点にどう顧客育成につなげていくのかの仮説・検証がやりやすくなることも大きな特徴だ。
ブランドとユーザーの双方が信頼して使えるプラットフォームへ
ブランド側が主体となり、自社だけでなく競合ブランドを含めた顧客の購買行動を把握し、継続的な顧客コミュニケーションを展開するためには相当なコストや労力が必要だ。しかし、ブランドオフィシャルの場合、マーケティング戦略立案に欠かせないデータと、実施においてもバナー表示などの情報発信機能を、1ブランドあたり月額50万円(年間契約)で使用できる。2020年3月時点で、メーカーからEC事業者まで236ブランドが利用中だという。
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