中国SuperMonkeyなどWeChatで即予約、都度参加のフィットネス体験記

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健康志向を推し進める政府の後押しもあり、中国では若い女性を中心にエクササイズ熱が高まっている。WeChatひとつで、身軽に単発でレッスンプログラムに参加できるサービスも登場。中国都市部で手広く展開する企業2社が上海のスタジオで開催するクラスに、実際に参加体験をした。

北京のビジネススクール長江商学院によると、中国では、この2〜3年で3万7,000カ所以上のフィットネスクラブが新たに開設されたという。また、IBISWorldのレポートでは、中国のフィットネス市場は2013〜2018年にかけて年率10%以上の伸びをみせ、2018年には69億1,000万ドル(約7,600億円)規模に達している。

一方、オンラインでトレーニングプログラムを提供する、中国発のフィットネスコミュニティアプリKeepは、2017年にユーザー1億人を達成し、2018年6月には、ゴールドマン・サックスが主導してテンセントも加わるシリーズDラウンドで1億2,600万ドルを調達するなど、市場は確実に伸びている。

そのフィットネス人気を牽引しているのが中国のミレニアル世代だが、彼らが運動をするハードルを下げてくれるとして支持されるのが、ワークアウトやヨガなどさまざまなクラスにその都度参加ができるレッスンサービスだ。

WeChatで完結、グループクラス特化型のSuper Monkey

まず、体験したのは、Super Monkey(超級猩猩)のクラスである。現在、北京や上海、広州、深圳、南京、武漢などの一級から新一級都市に70店舗以上を展開する同社の設立は2014年。当初は小型の無人トレーニングルームを運営する企業としてスタートしたが、2015年に各種フィットネスのグループレッスンを主体とする業務形態に転換した。メニューも豊富な1回限りのクラスを中心に、複数回の集中レッスンやプライベートレッスンも設けている。

クラスの予約はWeChatのミニプログラムからする方式だ。ヨガ、空中ヨガ、ロープを使用するエクササイズ、ズンバ、ボクササイズなど多彩に用意されたなかから、自分の好みとスケジュールにあわせて選べる。開始直前まで受付可能で、当日でも、思いついたらすぐに予約ができる。料金は60分のレッスンで69元(約1,000円)もしくは89元(約1,300円)の設定が多い。支払いも申込み時に、WeChatPayでおこなう。

開講されているクラスの一覧から選ぶ

開始30分前になると暗証番号が発行されるので、メインエントランスの扉の脇のキーボードに打ち込むと開錠できて中に入れる。ロッカーや着替えスペースには鍵がなく簡易なつくりで、ロッカーに施錠したい場合は鍵を購入する必要があるが、これも、QRコードを読み取りWeChatで購入する。着替えを終えてレッスン会場のスタジオに入ると講師が待っており、講師のスマホに表示されているQRコードを参加者が自身のスマホで読み取ることで出席確認が完了する。このように、最初から最後までWeChatひとつで手軽に手続きできるのが特長で、利用者が増えている大きな要因となっている。

予約・申込みから支払いまで
すべてWeChat上で完結する

QRコードで出席確認

今回筆者が選択したのは69元のヨガクラス。平日の昼間だったが、広く清潔なスタジオには10名ほどの女性が集まっていた。大人数ではないためか、講師は受講者一人ひとりに対して、正しい姿勢に直したり手を添えてくれたりと、丁寧な指導で満足度は高かった。

ヨガのクラス風景

Super Monkeyは、2019年3月にはシリーズDで3億6,000万元(約60億円)を調達。法人向けプラットフォームの「超猩学院」や、関連するEコマースなども手掛けている。今後は、プライベートレッスン事業を強化し、全国展開していくとの報道もある。

24時間営業ジムの「Lefit」でフィットネス体験

次に体験したのは、365日24時間営業のジムを運営するLefit(乐刻)の、ダンベルを使ったエクササイズクラスだ。北京、上海、広州、南京、深圳などの8都市に500近い店舗を出店しているLefitでは、ジムのほかに、フィットネスのグループレッスンやパーソナルトレーニングを提供している。

フィットネスプログラムの一覧

こちらもWeChat公式アカウントから予約と支払いが可能。ヨガ、ダンス、ズンバなどプログラムが多種多様である点はSuper Monkyと変わらない。ただし、施設に入場する際はアプリ内で表示されるQRコードをドアにかざして開錠する必要があり、WeChatの公式アカウント上ではできないため、結局アプリのダウンロードに誘導される。出席確認は各教室のモニターに表示されているQRコードを読み取ることで完了する。

QRコードをエントランスで
かざすことでジム内に入れる

平日の昼間クラスで、20代〜30代女性を中心に男性1名の12名が参加。ダンベルを持ちながらのフィットネスは、正直、思った以上にきついものだったが、講師が音楽にあわせて声を出し、励ましながら盛り上げてくれる。

スタジオに次々と集まってくる
クラスの参加者

Lefitは一般的なジムにフィットネス用のスタジオが併設されている形態で、アプリ内でも、パーソナルトレーニングが初回サービス価格になるクーポンや、ジム利用の割引クーポンが訴求されている。また一部のフィットネスプログラムは会員にならないと利用ができないなど、単発の利用者を増やすよりも、むしろ1回限りのクラスをきっかけに月額会員登録を促す狙いが強いようだ。

Lefitのフィットネスジム

運動のハードルを下げる「そのつど予約」の魅力

健康志向が高まるなかで、より広い層の間で「運動したい」「運動しなければ」という課題意識がおきてくるのは当然のなりゆきだ。だが、これまであまり運動習慣がない人がいきなり月額制ジムやスタジオに通うのは、心理的にも金銭的にもハードル高い。その意味で、いわゆる“お試し感覚”で、興味を持ったフィットネスプログラムを、好きな時に単発で予約・受講できるという仕組みは、「運動する人」の裾野を大きく広げることにつながるだろう。WeChatを活用した予約手続きの簡単さも大きな魅力だ。

実際、若い女性に人気のソーシャルプラットフォーム、RED(小紅書)で、Super MonkeyやLefitについて検索すると、「会員にならなくてもいいから気楽」「プログラムの選択肢がたくさんあって良い」など、肯定的な意見が多くみられた。また「映画やご飯を食べにいくのにお金を使うよりも、このようなフィットネスに参加した方が自分のためになる」などの声や、エクササイズ時のファッションについての投稿も見受けられ、中国の20代〜30代の女性の意識が健康に向いている状況が伝わってくる。

2016年10月に政府機関が発表した「健康中国2030計画概要」では、健康サービス業の市場規模を2020年までに8兆元(約130兆円)に、そして、2030年までには、その倍の16兆元(約260兆円)に拡大するとの予測が示されている。こうした国の後押しも受け、中国のフィットネス産業は今後も伸びが期待できそうだ。

Text&Photo: 滝沢 頼子(Yoriko Takizawa)、BeautyTech.jp編集部

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