ラグジュアリー市場が変革の時期へ。LVMHの株価急落にみる消費者・市場インサイト
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2023年4月24日に欧州上場企業で初めての時価総額5,000億ドルを突破したLVMHだったが、2023年下半期には苦戦。国際情勢としても経済情勢としても先の見通しがしにくいなか、ラグジュアリービジネスには向かい風とも思われる2024年以降のあり方を、LVMHの現状を通して前後編の2回でひもとく。
巨大市場である米国、中国の消費者マインドの変化は一過性か、続くのか
LVMHの2023年上半期は、売上高が対前年同期比15.0%増の422億4,000万ユーロ(約6兆6,430億円)、営業利益は同14.2%増の115億6,400万ユーロ(約1兆8,186億円)、純利益は同29.8%増の84億8,100万ユーロ(約1兆3,338億円)で、増益増収を達成。香水・化粧品部門も対前年同期比で11.3%増を達成した。
サプライチェーン問題を解決するための買収も行っており、常に先手を打つスタイルに変わりはなく、中国市場での苦戦は目立ったものの、株価平均上昇率は、25.74%。そして、2023年4月24日に、LVMHは欧州の上場企業ではじめて、時価総額が5,000億ドル(約73兆450億円)を突破した。これは、2023年の第1四半期(1月~3月)の売上急増によるものだった。
しかし、2023年10月13日には、株価が658.30ユーロまで下落した。大きな理由は2023年10月10日発表の第3四半期の決算が、大幅に期待外れだったためだ。
アナリスト予想では10%だった売上高成長率が9%と予想を下回っただけでなく、前の四半期の17%から大幅に低下したことを受けて、LVMHは「コロナ禍からの脱却が進むことによる需要の正常化」「米国の経済環境」「通貨安などのマイナス要因を伴う中国の厳しいマクロ経済」などが原因だったことを示唆した。しかし、政治や経済などのさまざまな要素が絡み合い、正確な分析は難しいともジャン・ジャック・ギオニーCFOは説明した。
また、今後の見通しとして「経済的および地政学的に不確実な環境においても、成長の継続には自信を持っており、製品の信頼性と品質、優れた流通と機敏な組織を活用して、ブランドの好感度を継続的に高めることに重点を置いた戦略を維持していく」としている。
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