Glossierや完美日記、ユニコーン級D2Cブランドの成長を支えるファンコミュニティ
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美容ブランドにとってのファンコミュニティの重要性が増している。コミュニティがうまく機能し、ファンがファンを呼び込むことで急成長している米国のGlossierと、中国の完美日記(Perfect Diary)の事例をもとに、株式会社コルク 代表 佐渡島庸平氏へのインタビューをまじえ、熱量あるコミュニティのあり方を考える。
※2020年1月発行のBeautyTech.jp Hot Topicsに加筆して掲載
現在ユニコーン級企業ともいわれる、いわばD2C第一世代の米国のGlossierと、中国新興ブランドとしてNo.1の売上で急成長中の完美日記(Perfect Diary)。通常D2Cブランドといえば、ニッチな分野で濃いファンとのつながりを形成するケースが多いが、この2つのブランドに共通するのは、ともに既存の大手ブランドを凌ぐ成長をしている点だ。2019年の売上高は、Glossierが1億300万ドル(約110億円)、完美日記が35億元(約525億円)とされている。
両社をみると、美容部員やカスタマーサポートを起点とする小規模な「コミュニティ」を数多く集めて形成し運営するという共通点が浮かび上がる。
熱量が一定を超えれば自発的なコミュニティへ進化
Glossierは、創業者のエミリー・ワイス(Emily Weiss)氏が2010年に始めた美容ブログ「Into the Gloss」から派生して、2014年に誕生したコスメブランドだ。250万人のフォロワーを持つInstagramほか、FacebookやTwitter、YouTube、Pinterestなどの公式アカウントには、数十万フォロワーが集まり、大きなファンコミュニティが形成されている。
Glossierがとくに重点をおいているのが、「gTeamエディター」と呼ばれるカスタマーサポート兼コミュニティリーダーだ。各SNSチャネルごとにコミュニティリーダーがつき、ユーザーから寄せられた投稿や質問に対して、丁寧かつフレンドリーに対応したり、ユーザー同士がやりとりしやすいようにしたりして「場」をマネジメントしている。
Glossierのカスタマー担当エグゼクティブ・ディレクターのジェシカ・ホワイト(Jessica White)氏は、このコミュニティこそが、ブランドにとって非常に重要な役割を果たすと語る。gTeamが得たユーザーの声は社内に共有され、ブランド戦略や商品開発に役立てられるだけでなく、ユーザーを巻き込み共創することで、ブランドへのロイヤリティーを高めることができるからだ。そして、このgTeam内でのリーダーとユーザーの熱量が高まれば、ブランドの良さを自主的に発信し広めてくれるコミュニティへと進化していくのをGlossierは経験してきた。
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