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J&Jのインキュベータプログラムにみる「常在菌」によるパーソナライゼーション

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ビューティの世界におけるパーソナライズをどうとらえ、考えていくべきなのか? Personalized Beauty Summit USAでのトークセッションで語られた、業界のディスラプターたちによるさまざまな見解。そしてJ&J(ジョンソン・エンド・ジョンソン)のインキュベータプログラムから、「常在菌」をテーマにパーソナライゼーションへのアプローチを試みる2社を紹介する。

「甲板のデッキチェアを並べ直したところで、大型客船が沈むのは避けられない」

2019年2月20日、サンフランシスコで開催された、美容業界における多彩なケーススタディの発表からパーソナライゼーションを考えるPersonalized Beauty Summit。登壇者の1人、RPG-IMX のCEO ブルース・E・タイテルバウム(Bruce E Teitelbaum)氏はこう切り出した。その言わんとするところは、消費者の購買行動が大きく変化した今、オンラインであれリアル店舗であれ、リテールサイドは買い物客の要求を正しく理解し、より良い経験としてのショッピングを提供しなければ生き残ることはできない。その鍵を握るのがパーソナライゼーションであるということだ。

パーソナライズを求める消費者マインド

RPG-IMXは美容業界に特化し、店舗デザインやサイネージから、AI、ARを活用した各種解析ツール、商品開発まで、リテールのさまざまな場面でのニーズを統合して顧客のためのカスタマイズを図るデジタル・ソリューションを提供している。その知見から彼らは、現代の消費者は「自分のために作られたと思える“何か”を求めている」と定義する。

同様の見方を、資生堂アメリカ傘下のMATCHCo のGM デイブ・グロス(Dave Gross)氏は「19世紀はカスタムの時代、20世紀はマスの時代、そして21世紀はマス・カスタムの時代」と表現した。これはファッションを例に考えるとわかりやすい。テーラーが1人の顧客のためにカスタムメイドするドレスは、一部の特権階級のものだったが、それが、大量生産の既製服として大衆に手の届くものになった。そして今、人々は溢れかえる膨大なモノと情報のなかから、自分の好みやルックスにマッチする一着を探し出し提案してくれる“パーソナル”なサービスを歓迎している。

テクノロジーは、企業やブランドが一人ひとりの顧客と個別につながることを可能にした。それは、消費者の側からすれば、各自に即した対応や提案をされることが当たり前になるのを意味する。ショッピングにおける人々の意識はこの20年で別な次元にシフトしているのだ。

出典:Personalized
Beauty Summit USA 2019

美容業界の未来はパーソナライゼーションにあるのか?を問う段階はすでに過ぎた。パーソナライズは自明の理で、企業やブランドの多くは、おのれのビジネスをどのようにパーソナライズするのが最適なのかを考え、実装をはじめている。

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