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米セフォラ、Z世代やアルファ世代にも支持される5つのDE&I施策にみる本気度

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米国の化粧品業界で製品におけるDE&I(ダイバーシティ・エクイティ & インクルージョン)推進は、2017年ローンチのFenty Beautyが40色(現在は50色展開)のファンデーションを発表したことを皮切りに、さまざまなブランドが意識した展開をしている。小売店では、セフォラがいち早くかつ真摯にDE&Iに取り組み、業界内でもリーダーシップをとってきた。2016年以降の同社の取り組みのなかでも、消費者から評価されている試みを5つ紹介する。


その1:  どんな人も、メイクやスキンケアで自信を持つための「クラス・フォー・コンフィデンス」

米国では2030年までにミレニアル世代が市場経済の行方を決める原動力になると予測されている。そのため、「多様性(ダイバーシティ)」「公平性(エクイティ)」「包括性(インクルージョン)」という価値観に敏感であるミレニアル世代に対して、各社はさまざまな施策を打ち出している。今回は、ミレニアル、Z世代だけでなく、ミレニアル世代を親に持ち、生まれながらにDE&Iが当たり前の価値観の環境で育ったアルファ世代までもを虜にしているとされるセフォラの、2016年以降から現在までのインパクトの大きかった5つのDE&I施策を取り上げる。

セフォラは、2016年10月1日から、顧客にセルフエンパワメントを持ってもらうための「クラス・フォー・コンフィデンス(Classes for Confidence)」をスタートした。同取り組みは、キャリアチェンジや人生の転機に直面している人々を対象に、メイクアップやスキンケアの基本を教えることで自信を育むことを目的としている。セフォラのソーシャルインパクトの責任者であるコリー・コンラッド(Corrie Conrad)氏は、「このプログラムの目的は、コミュニティとつながり、楽しみ、参加者が自信と美しさを感じ、これから待ち受けるどんな困難にも立ち向かう準備ができるように支援すること」と語っている。

2018年からは、トランスジェンダーコミュニティのための「クラス・フォー・コンフィデンス」をローンチ。「スキンケアのヒントを得て、自分の肌色に最適な色合いを見つけ、完璧な仕上がりを実現する」ことをテーマに90分のセッションを行っている。トランスジェンダーに配慮したインストラクターがリードするプログラムは、本人だけではなく、家族や友人の参加も歓迎している。コロナ下では、バーチャルトレーニングも実施し、参加した人からは「YouTubeのチュートリアルとは異なり、自分に関する質問をして、リアルタイムで答えを得られる」と歓迎する声も多く、周囲の目が気になりリアルでは参加しにくいことも少なくないトランスジェンダーの人も、バーチャルセッションは参加しやすく学びが多いと評価されている。

2019年には「Brave Beauty in the Face of Cancer」などのクラスを通じて、がん治療中の人々を支援するための特別なプログラムを開始した。がん治療による外見の変化に対処するためのメイクアップ技術や製品を提供し、参加者が自信を持てるようにサポートしている

セフォラは、参加者一人ひとりのニーズが十分に満たされるようにするため、クラスの規模を小さくしている。1回のセッションの人数は12名までで、参加者3~4人ごとにコーチが同席し、追加の実践的なサポートを提供している。また、「がん治療による脱毛や皮膚への影響は性別に関係ない。私たちはすべてのお客様にとって安全な場所でありたい」(コンラッド氏)として、女性のみならず、男性の受け入れもしている。

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