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韓国KOCOSTAR、10人のチームで100ヶ国展開が目前へ。独自の哲学を聞く

◆ English version: South Korean rising startup KOCOSTAR taking on 100 countries with a staff of 10
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韓国の化粧品スタートアップは国内市場の小ささ、また競合の多さから、海外展開に積極的だ。昨今では北米や中国、日本など大きな市場はもちろん、欧州、南米、東南アジア、ロシア、中東など幅広い地域への進出が目立つ。なかでも、韓国の新興ブランドとして現在80ヶ国と最も多くの国で展開しているのが、唇や目元などの部位別マスクで知られるKOCOSTARである。アン・ジョンジン副社長へのインタビューを通して、製品づくりから海外戦略のあり方など独自のノウハウを明らかにしていく。

KOCOSTAR(ココスター)は2013年にローンチした韓国を代表するマスクブランド・スタートアップだ。「頭からつま先まであらゆる部位に対応した良質なマスクシリーズ」というコンセプトを掲げ、ユーザーが実感する効果と目を引くクリエイティブで世界各地においてインフルエンサーからの注目を集め、多くの消費者の支持を得ている。日本では、株式会社アイエスリンクが販売代理店となっており、唇用として大ヒットの「リップマスク」やリッププランパーの「プランプリップカプセルマスク」をはじめとする商品を国内で流通させている。

「KOCOSTARは現在、世界80ヶ国以上に製品輸出を行っている。大陸としてはアフリカを除いたすべてだ。日本はもちろん、北中南米、中国、欧州、そして、ロシアを中心とした独立国家共同体(CIS)の国々、また中東エリアにも進出を果たしている。イラク、パレスチナ、レバノンなど、おそらく輸出先として日本ではあまりターゲットとされない国々にも輸出を開始している」と話すのが、KOCOSTAR 副社長、アン・ジョンジン(An Jongjin)氏だ。現在の段階でKOCOSTARの売上げにおいて最も大きな比率を占めるのは欧州で、2016年の初進出以来、欧州地域の約30カ国に製品を輸出しているという。

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KOCOSTAR 副社長
アン・ジョンジン(An Jongjin)氏

「韓国ブランドとしては、おそらく最も早く欧州に進出したと思う。スペインにエル・コルテ・イングレスという有名な百貨店があるが、その担当者との折衝を経て欧州への輸出がスタートした。実際に出荷をする際には、欧州医薬品庁の認可のための書類を揃えることがとても大変だった。(必要書類の届け出は)他の国でも同じことだが、欧州は特に用意する書類が多かった印象だ」とアン氏は振り返る。

なかでも、フィンランド、ノルウェー、スウェーデン、デンマークなどの北欧では、ハイエンド・マーケットにおけるマスクパックのナンバーワンブランドとして不動の地位を築いている。

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人気のワッフル マスク

見本市への出展から各国パートナーとの関係構築

KOCOSTARはどのようにして広い地域での世界進出を果たし、人気ブランドに成長することができたのだろうか。実は、KOCOSTARの社員は全社でも10名ほどである。それだけの少人数で世界80ヶ国以上に輸出しているのは、越境ECやオンラインマーケティングでの成功によるのかと思われがちだが、KOCOSTARが海外進出の重要な戦略として位置づけているのはむしろオフラインであり、世界各地で行われる展示会だ。

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