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3年で3倍の資金調達額。フレンチテックは、国家主導でスタートアップ大国へ

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前回のViva Technologyなど、フランスではスタートアップによるイノベーションが経済成長・雇用創出の原動力になると見据え、政府主導でエコシステムの構築に取り組んでいる。キーワードは「Tech for Good」そして「Deep Tech」だ。

現在、フランスには10 ,000を超えるスタートアップ企業が存在し、その数は4年前から毎年30%ずつ増えている。2017年には25億ユーロの資金調達をし、3年間で3倍の金額を記録した。その成長の裏には、仏政府がスタートアップを支援する「フレンチテック(La French Tech)」と呼ばれる施策がある。

フレンチテックとは、2013年に仏政府がイニシアティブを握って開始したスタートアップ支援策の一つだ。対象はフランス人をはじめ海外の起業家やそのエコシステム(投資家、エンジニア、メディア、メンター、大企業など)であり、イノベーションにより改革を起こすフランスのシンボル的存在となっている。本部は2017年にパリ市に設立された世界最大級のスタートアップ支援施設「Station F」内に構え、世界各地のフランス貿易投資庁などと協働してフランス人起業家の海外進出、および外国人起業家のフランス誘致をサポートする。

フレンチテックの目的は、フランスのスタートアップ企業が国際レベルで活躍できるようにネットワーク化(コミュニティ形成)し、企業成長を加速させ、国際的にプレゼンスを高めること。また、拠点はパリだけでなく、国内13都市を「フレンチテック・シティ」に認定しネットワーク化。アクセラレーター、ビジネスエンジェル、投資家、協力者などと出会う機会を創出し、企業マッチングなどを通してビジネスのスケールアップを図る。

地方都市は地場産業と結びついたスタートアップが多い。例えば、広大なワイン畑が広がるボルドーは、ドローンの実験飛行に適していることからドローン開発企業が多く集まっている。また、2016年からHealth、Clean、IoTなど9つの重点分野が定められ、都市と分野をクロスして成長の加速を目指す。

出典:French Tech

さらに、世界22都市に「フレンチテック・ハブ」をつくり、フランスとその都市の企業が交わる機会をつくり、パートナーシップ契約へのサポートをする。日本にも2015年にフレンチテック東京ができ、複数のビジネスが発展している。インターネット上のリターゲティング広告で知られる「Criteo(クリテオ)」は、2011年に日本に進出し成長いちじるしいフランス企業だ。また、高級オーディオスピーカーのスタートアップ「Devialet(デビアレ)」は2年の準備期間を経て、2018年9月より伊勢丹新宿店などで販売を開始した。

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