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盛れないSNS「BeReal」で美容ブランドが続々と公式アカウントを開設する理由

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2020年にフランスで生まれたソーシャルアプリ「BeReal」が、米国Z世代ユーザーの間で人気が急上昇している。BeRealは投稿の真正性を重視し、あえて、編集加工を排した”アンチインスタグラム”と称されるアプリで、2022年7月には米Apple storeでダウンロードナンバー1を記録。ロレアルほかさまざまな米美容企業もBeRealをマーケティングに活用し、コミュニティとつながりエンゲージメント強化を図る試みを始めた。

2分の制限時間内でフィルターなしのリアルな投稿

BeRealは、フランス人のアレクシ・バレイヤ(Alexis Barreyat)氏とケヴィン・ペロー(Kevin Perreau)氏が2020年にフランスで創業した画像共有のソーシャルアプリで、重要視するのは投稿内容の真正性(オーセンティシティ)だ。“インスタ映え”という言葉を生んだInstagramのように、フィルターを使って編集したり、場所をセッティングした魅力的な写真を投稿することで、「いいね!」やフォロワー数を増やしたり、企業や不特定多数の注目を集めるのではなく、本当に信頼できる友達やコンテンツを共有したい人だけに、自分のリアルな日常生活の一部をシェアすることを目的としている。

BeRealをダウンロードすると、1日1回、ランダムな時間に通知が届き、通知を受け取ったユーザーは2分以内に写真を撮って共有する。写真はスマートフォンのセルフィー用と通常のカメラ機能の2つを同時に使って撮影され、自動的にコラージュされる。つまり、投稿者の顔と本人が見ている情景の両方が映し出されるわけだ。

フィルターや編集の機能はなく、ノーメイクであろうが、散らかった部屋にいようが、その時に自分がおかれた状況を登録した友人だけにシェアする仕組みだ。自分が投稿しなければ、ほかの人の投稿を見ることができないため、積極的な参加(自主性)が必要となる。指定時間内に撮影できなかった場合は、何時間後にシェアしたかが投稿に表示される。友人の投稿に対して、絵文字ならぬ、自分の顔写真を使った「RealMoji」でリアクションを送ることができるが、リアクションの数やフォロワー数は投稿に表示されない。

自分の顔写真を使った「RealMoji」
出典:BeReal公式サイト

また、投稿内容は24時間で削除されるが、自分の投稿は「思い出(Memories)」のページに保存され、いつでも確認できる。通知が来るタイミングは、通勤・通学途中で電車のなかかもしれないし、寝る前でパジャマ姿かもしれない。同じ瞬間に何をしているかを共有する”同時性”がBeRealの醍醐味であり、2分間という制限時間をゲーム感覚で楽しめるかがポイントだ。

Apple storeのBeRealの説明文には、「BeRealはあなたを有名にしない。もしインフルエンサーになりたければ、TikTokやInstagramに残るといい」との注意書きがある。創業者は仏メデイアの取材に対して「私たちは、人々が自分の今ある立場や人生を心地良いと感じることを願っている。また、社会的に比較することを際だたせ、自身の影響力を増すために人生を恣意的に描写するような中毒性のあるソーシャルネットワークに代わるものを望んでいる」と語る。

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