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中国シニアマーケット「銀髪族」、多様化する美容ニーズとそのインサイトとは

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これまで中国の化粧品ブランドは、「90后(1990年以降生まれ)」や「85后」など、常に若い世代を追いかけてきた。しかし、近年そうした状況に変化が起きつつある。それをもたらすのは購買力を発揮する56歳以上の世代「銀髪族」の台頭だ。中国のシニアマーケットの概況と今後の可能性について探る。

ネットを使いこなし中間所得層に近い中国のシニア層

中国でシニア層を指す「銀髪族」が新たな消費者層として注目され「銀髪経済」という言葉も生まれている。ECサイト大手JD.com(京東集団)のビッグデータをもとにまとめた「銀髪経済の台頭——2021高齢者ユーザーオンライン消費レポート(銀髪経済崛起——2021老年用戸線上消費報告)」によると、2021年1月~9月に56歳以上のシニア層が購入した商品の売上高は、前年同期から4.8倍増加した。

この調査によれば購入商品のジャンルで最も多いのは飲料で全体の18.9%を占めた。以下、おむつ・ウェットティッシュの9.9%、女性アパレルの8.4%、男性アパレルの6.9%、カルシウムを強化した飲料など骨健康ケアの6%、ヘルスケア機器の4.5%、サプリメントの3.6%と続いた。とくに健康関連サービスは伸び率が高く、前年の10倍以上に増えている。

また、2021年1月から3月までの50歳以上の化粧品の消費額は、前年同期比51%増というデータもある。中国の報道によれば、2020年の55~64歳の女性のスキンケア用品の購入率は84%と高く、メイク用品を購入する割合は6割に達し、なかでも口紅にかける金額が多く、消費額の伸び率は2020年に45%だったいう。

中国インターネットネットワーク情報センター(CNNIC)の調べでは、2021年12月現在での中国の60歳以上のネットユーザーは1億1,900万人に及び、インターネット普及率は43.2%に達する。ユーザーの52.1%は誰かのサポートを必要とせずにネット上で自分で商品を購入することができるという。新型コロナウイルス感染症の感染拡大でロックダウンが続きスマートフォンを利用する時間が増えていることも、シニア層の消費が伸びている一因とみられる。

また、調査会社QuestMobileによると、2021年10月の50歳以上のモバイルユーザーのMAU(月間アクティブユーザー数)は前年同月比19.3%増の2億5,100万人で、1カ月の平均利用時間も6.3%増の143.9時間に達した。毎日、平均4時間以上利用している計算になる。

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