ブランドやOEM、小売まで韓国化粧品企業の日本市場進出ラッシュ、その戦略とは?
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韓国国内の人気ブランドのみならず、小売大手、OEM大手、また中堅・新興ブランドなど、韓国化粧品業界のさまざまなプレイヤーが改めて日本市場への進出に積極的だ。自国の市場規模が小さいため、もともと中国や北米をはじめグローバル市場の開拓が盛んな韓国化粧品業界で、なぜ今、日本市場が注目されているのか。その背景と具体的な事例を紹介しながら、韓国化粧品業界が何を注視し、戦略を組み立てているのかを読み解く。
アモーレパシフィックやLG生活健康など日本市場に可能性を見出す韓国大手
韓国化粧品業界プレイヤーの本格的な日本進出事例の先駆けとして注目されたのが、H&Bストア(日本のドラッグストアに相当)の最大手であるオリーブヤング(OLIVE YOUNG)だ。
2019年に楽天にオンラインストアをオープンして以降、2020年10月にはプライベートブランド(PB)の「フィリミリ(FilliMilli)」や「カラーグラム(colorgram)」などのスキンケア・メイクアップ商品をZOZOTOWNで販売開始。同11月には東京(ルミネエスト新宿)で、また同12月には大阪(梅田・ルクア大阪)でポップアップストアを初展開している。続く2021年2月には、日本国内初となるPB製品の公式ECサイト「OLIVE YOUNG PB COSMETICS ONLINE STORE」もオープンさせ、2021年8月からはルミネエスト新宿、ルクア大阪に日本初の常設店舗も設置している。
その後2022年に入り、韓国大手化粧品ブランドが日本市場の攻略に注力し始めたとの報道が続いた。最近、韓国国内でも大きな話題となっているのは、アモーレパシフィックの主力スキンケアブランド「ラネージュ(LANEIGE)」が日本正式進出を開始するというものだ。
アモーレパシフィックは、2022年9月14日より、東京・原宿の@cosme旗艦店@cosme TOKYOとECサイト@cosme SHOPPINGにラネージュが正式入店したことを発表。また同年11月から全国の@cosme STORE(実店舗)およびロフト(実店舗およびオンライン)に販売チャンネルを拡大する計画を明かしている。
ラネージュが日本に正式に進出したのには大きく2つの理由があるとされている。1つは、2022年第2四半期における中国およびアジア地域全体でアモーレパシフィックの売上が伸び悩んでいることだ。アモーレパシフィックはこれまで、北米や欧州においてラネージュのオンラインストア販売チャネルを強化することで収益を拡大させてきた。グローバルでも人気が高いラネージュを前面に押し出して日本市場でのプレゼンスを高めることで、中国市場での低迷をカバーすると同時に、中国以外のアジア市場における強いポジショニングを獲得する狙いがあるとみられる。
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