インドネシア、フィリピン発などグローバルでも注目の東南アジアコスメ、注目の9ブランド
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近年、経済成長や美容市場の拡大、D2CやSNSの普及を背景に、東南アジア(ASEAN)発の新興ビューティブランドが増加している。なかには米国や中国など東南アジア以外の地域で展開を拡大しているブランドも登場。9つの伸び盛りの東南アジア発ブランドを美容業界ライターの臼井杏奈氏が選び解説する。
多様性、ハラル、多色展開が東南アジア発ブランドのキーワード
これまで、東南アジア発の化粧品といえば、日本でも販売しているタイ発の「SRICHAND(シーチャン)」や「CathyDoll(キャシードール)」のような低価格で東南アジアらしい感性を備えたカラーコスメか、もしくは「THANN(タン)」に代表される高価格帯のナチュラルスキンケアが思い浮かぶことが多いかもしれない。
近年の東南アジアのビューティブランドはこうした特徴を保ちつつも、さまざまな要素をプラスすることで独自性を高めている。インドネシアは国民の約87%が、マレーシアも64%がムスリムという宗教的背景もありイスラム法に則ったハラル認証を取得するブランドも増えた。また、国民の大半が仏教徒であるタイでは不殺生の考えから、ヴィーガンコスメが受け入れられやすいと同時にヴィーガンスタイルが若い世代のトレンドにもなっている。そのことからも東南アジア発ブランドは、オーガニック、ヴィーガンやクルーエルティフリーであることが大前提だ。
これらの理由から、東南アジア発ブランドはクリーンビューティや環境保護、動物愛護への関心が高い欧米の消費者との相性もよく、海外進出のうえでの強みにもなっている。
また、東南アジアはミレニアルからZ世代の若い世代の人口が多く、インドネシアやフィリピンは人口ピラミッドが山型を描く。この世代は多様性への意識も高く、女性起業家により立ち上げられたブランドやジェンダーフリーコンセプトのブランドも多い。またフィリピン、マレーシア、インドネシアなどの多民族国家では、ファンデーションなど幅広い肌色に対応する商品設計が主流で、この点でも欧米の価値観に合致しやすい。
さらに新興ブランドの多くは、Instagram、TikTok、Facebookなど、SNSを活用したマーケティングで成長しており、SNSを通じて欧米で知名度を伸ばすケースもある。
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