韓国オリーブヤングがAIスタートアップ「ロケットビュー」買収、ECの“超個人化”へ
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オリーブヤングは、2022年3月にAI OCR(AIと光学的文字認識を融合させた技術)やレコメンド技術に強みを持つAIスタートアップのロケットビュー(RocketView)を買収したと発表した。オリーブヤングが目指す方向のキーワード「超個人化」を考えるとともに、技術開発トレンドの今後について考察する。
サムスン電子での事業中断を経て起業したロケットビュー
韓国H&Bストア(日本のドラッグストアに相当)の最大手のオリーブヤングは、2022年3月にスタートアップロケットビュー(RocketView)の買収を発表した。韓国では大手小売企業によるAIスタートアップ買収は珍しく、各メディアがニュースを報じた。
ロケットビューは2016年設立のAIスタートアップで、スマートフォンカメラで撮影した化粧品情報から、価格比較、成分、クチコミなどの詳細をユーザーに提供する「チッコム(찍검, 찍고 검색=撮影して検索 の略)というサービスを開発・運営してきた。ロケットビューが保有する主要な技術は、ディープラーニングをベースにした高度な文字認識のAI OCR技術と、商品属性とユーザーのビックデータを掛け合わせて解析し、パーソナライズした商品レコメンドをするAI技術だ。
チッコムは対象となる商品そのものの画像ではなく、画像上にある商品の名称(文字情報)から各種情報を紐づけていく。そのため、実際の商品が手元になくとも、紙媒体を含む広告といった商品名がわかる画像から検索が可能だ。もちろん、ユーザーが店舗などで気になる商品を見つけた際には、商品をカメラで撮影するだけで情報を取得することができる。韓国には化粧品のレコメンドサービスやクチコミアプリが数多くあるが、文字認識技術を入り口とした価格比較&レコメンドサービスは珍しい。
ユーザーがチッコムで商品名の撮影を完了すると、まず表示されるのは各ECで販売されている該当商品の価格情報だ。日本の価格.comのように、最低価格から安い順に価格情報が表示される。これに加えて、使用方法、成分、類似商品、およびカテゴリーベスト商品、セール日時、ほかのユーザーのレビューなど、外部サイトから収集された該当商品に関する情報がつぶさに提供されるのも特徴だ。
なぜオリーブヤングはロケットビューの買収に至ったのか。そのヒントは、ロケットビューの沿革を掘り下げていくといくつか浮かび上がってくる。
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